張本智和が五輪で痛感した「心の甘さ」 日本男子のエースとして臨む世界選手権

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東京五輪団体戦では日本の銅メダル獲得に大きく貢献した張本 【写真:ロイター/アフロ】

 2017年の世界選手権、日本男子史上最年少となる13歳で初出場を果たした張本智和は伝説を残した。前年のリオ五輪でメダルを獲得した水谷隼を2回戦で破る大番狂わせを演じ、そのまま史上最年少でベスト8に進出。当時中学2年生の張本を代表に選出したことは、将来を見据えて経験を積ませる意味合いが強かったはず。ただ、「史上最年少記録より、一枚のメダルが欲しかった」と13歳の張本は勝つことにどこまでも本気だった。
 そこからの活躍は言わずもがな。次々と史上最年少記録を打ち立て、世界最強の中国選手ですら恐れることなく打ち負かす。瞬く間に世界ランキングひと桁台に登り詰め、幼少期から「夢」と語っていた東京五輪出場を18歳にして叶えた。
 
 しかし、東京五輪前の5月に行った単独インタビューでは「本当に卓球が楽しいと思えたのは1年くらいだった」と初出場でベスト8に進んだ世界選手権からの年月を振り返った。怖いものなしで突き進んだ時期はあっという間に過ぎ去り、気がつけば周囲は世界トップレベルの1人となった張本に対して挑みかかってくる。「勝ちたい」とワクワクしながら試合に向かっていたのが、いつしか「負けられない」とプレッシャーを感じるようになった。頂に近づくにつれて希薄になる空気の中で、もがく苦しみを10代にして味わった。
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