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B2展望 B1へ昇格本命のクラブは?
川村卓也、LJピークらトップ選手も参戦
35歳となった川村卓也が西宮ストークスに加入。シュート力はいまだ健在だ
35歳となった川村卓也が西宮ストークスに加入。シュート力はいまだ健在だ【(C)B.LEAGUE】

 過去2シーズンのBリーグは、B1からB2への降格を実施していない。コロナ禍におけるクラブ経営を守るための判断だ。B3からB2への昇格も2022-23シーズンまで止められている。B2のクラブ数は18から14に減り、4クラブはB1に戦いの場を移した。B2は少しずつ活気が落ちていくのではないか? という懸念も持っていた。


 しかしオフシーズンの動きを見ると、B2の活気は例年以上に思える。例えば昨季のプレーオフに出場したFE名古屋、西宮ストークスが新たに強烈な補強を見せた。過去2季こそ低迷しているが、2度“あと1勝”でB1昇格を逃している熊本ヴォルターズの新外国籍選手もB1級だ。今回はB2制覇、B1昇格を視野に入れている有力クラブを紹介しつつ、今季の展望を占いたい。

ロスター大幅入れ替えのFE名古屋

昨年のB2アシスト王の石川海斗。新天地でも司令塔としてチームの中心をになう
昨年のB2アシスト王の石川海斗。新天地でも司令塔としてチームの中心をになう【(C)B.LEAGUE】

 ファイティングイーグルス名古屋は昨季も西地区2位でプレーオフ出場を果たしているが、今季は12選手中8名を入れ替えた。また群馬クレインサンダーズ、茨城ロボッツのB1昇格により、東地区へ移っている。


 石川海斗はB2でおそらくもっとも相手ブースターに恐怖感を与えてきたポイントガード(PG)だ。170センチと小柄だが昨季はB2のアシスト王となり、1試合平均得点も4季連続で二桁を記録している驚異的オフェンス力の持ち主。最終盤の勝ち越し、逆転ショットが多いことも特徴で、ある種のカリスマ性を持つタイプだ。


 笹山貴哉はB1名古屋ダイヤモンドドルフィンズに7シーズン在籍していた左利きのPG。昨季は齋藤拓実の加入で出場時間が減ったとは言え、それでも1試合平均で15分以上コートに立っている。ピック&ロールのユーザーとしてボールを持てるタイプで、シュートやパスも高水準。この二人を使い分けられる陣容は超B2級の豪華さだ。


 野崎零也は白鴎大を卒業後、社員選手としてFE名古屋に2シーズン在籍していた。群馬クレインサンダーズではパワフルなドライブ、得点力を生かしてB1昇格に貢献。加えてオーバーウエイトも完全に解消し、レベルを大きく上げて復帰を果たしている。


 相馬卓弥は佐賀バルーナーズから加わったシューティングガード(SG)で、昨季のB2・3ポイント王。ジェレミー・ジョーンズは201センチ・95キロと細身で、活発に動きつつ外のシュートを狙っていくスモールフォワード(SF)だ。相馬とともに“幅”を広げられるタイプだ。


 アンドリュー・ランダルは通算8シーズンにわたって日本国内のクラブを渡り歩いてきたSF。198センチ・109キロとパワフルで、打開力が突出している。他にも高レベルな選手がいる中でランダルがどれだけ“シェアできるか”は課題だが、ハマれば強烈だ。


 エヴァンスルークも日本で通算7シーズンプレーしているパワーフォワード(PF)で、今年1月に日本国籍を取得した帰化選手。彼の加入により、ジョーンズ、ランダルのような外国籍選手をアウトサイドで起用できる。


 センター(C)にはブライアン・クウェリがいる。2019-20シーズンは島根スサノオマジックでエース級のスタッツを残し、2020-21シーズンは群馬のB1昇格に大きく貢献したビッグマンだ。周りを助ける献身性のあるタイプで、石川やランダルのような個ともフィットするだろう。


 2019-20シーズンのFE名古屋は川辺泰三ヘッドコーチ(HC)の下にアシスタントコーチのいない体制だったが、今季はアシスタントコーチが3人いる。カルバン・オールダムコーチは大野篤史HCとともに千葉ジェッツの躍進に貢献した人材だが、彼も今季からチームに加わった。ベンチの充実ぶりから、クラブやオーナー企業の本気が見て取れる。B1規格のアリーナを抑えられず今までライセンスを取得できていなかったクラブだが、未発表の動きがあるのかもしれない。

昨季POに泣いた西宮、川村が起爆剤に

 B1と同じくB2も西地区の補強が活発だ。昨季の西宮ストークスは西地区1位の成績を収めつつ、プレーオフ1回戦で仙台89ERSに敗れている。新アリーナ構想も進む中で、B1昇格(復帰)への思いは強い。


 谷直樹、道原紀晃、渡邊翔太、今野翔太、松崎賢人と出場時間の長かった日本人選手はそろって残留している。谷、道原、松崎はクラブの草創期からこのチームでプレーし、2017-18シーズンのB1もこのチームで経験している人材。いずれもプレーヤーとして成熟する年齢を迎えている。


 今野翔太は大阪エヴェッサで長くプレーしていたSGで、昨シーズンから西宮に移った。36歳のベテランで、守備に強みを持ち、周りに好影響を与えるリーダーでもある。193センチと大型で、3ポイントと守備に強みを持つSF福田真生もチームに残留している。


 新加入は日本人の大物がふたりチームに加わる。川村卓也は“オフェンスマシーン”の二つ名を持ち、旧リーグ時代に4度の得点王に輝いているSGだ。35歳と年齢は重ねたがシュート精度は健在。古くは2009-10シーズンのJBLファイナル、2016-17シーズンのB1残留プレーオフ秋田戦など奇跡を実現するビッグプレーを連発してきた男でもある。2017-18シーズンのB1残留プレーオフでは横浜ビー・コルセアーズのエースとして、西宮の残留の望みを断った張本人だが、そんな男が今度は頼もしい味方になる。


 中西良太は202センチ・110キロのビッグマン。若い頃は細身だったそうだが、プロ入り後も鍛錬を重ねて強烈なポストプレーを身に着けた。直近の5シーズン中4シーズンで1試合平均二桁の得点を記録するスコアラーでもある。地元兵庫出身で、2013-14シーズンにもストークスでプレーしていた。


 外国籍は途中加入で大活躍を見せたマット・ボンズがB3長崎ヴェルカに引き抜かれたもののデクアン・ジョーンズ、シェイク・ムボジと昨季の主力が2枚残った。マティアス・フィッシャーHCは3季目で、積み上げを生かしたチーム作りができる部分は他の昇格候補に対するアドバンテージだ。

大島和人
大島和人

1976年に神奈川県で出生し、育ちは埼玉。現在は東京都町田市に在住する。早稲田大在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れ、世界中のスポーツと接する機会を得た。卒業後は損害保険会社、調査会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。バスケットボールやサッカー、野球、ラグビー、バレーなどの現場にも小まめに足を運び、試合観戦数は毎年300試合を超える。日本を実はサッカーだけでなくバスケ強国であるスペイン、バレー王国・ブラジルのような球技大国にすることが一生の夢で、“球技ライター”を自称している。

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