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新天地バイエルンでゴール量産も!?
“ニュー熊谷紗希”が見据える欧州制覇
10月6日に開幕するUWCLに向けて、意気込みを語ってくれた熊谷。新天地バイエルンで、これまでとは異なる役割を与えられた“ニュー熊谷紗希”に注目したい
10月6日に開幕するUWCLに向けて、意気込みを語ってくれた熊谷。新天地バイエルンで、これまでとは異なる役割を与えられた“ニュー熊谷紗希”に注目したい【スポーツナビ】

 2021-22シーズンのUEFA女子チャンピオンズリーグ(以下、UWCL)が、いよいよ現地時間10月6日に開幕する。同大会は今シーズンよりDAZNで全世界配信され、日本でも視聴可能となる。大会注目プレーヤーの一人が、歴代最多7度の優勝を誇る強豪オリンピック・リヨン(フランス)を離れ、今オフにドイツのバイエルン・ミュンヘンへ移籍したなでしこジャパンのキャプテン、熊谷紗希。くしくも、今季から新たに導入されたグループステージでリヨンと同居することになったが、まずは8年間在籍した古巣に“ニュー熊谷”のプレーを見せつけ、チームを勢いづかせたいところだ。


 今回のインタビューでは、新天地バイエルンの一員として臨むUWCLへの意気込みとともに、ベスト8敗退に終わった東京五輪、さらには9月に開幕した日本初の女子プロサッカーリーグ『WEリーグ』についても語ってもらった。

もっとメディアに拾ってほしかった言葉

ベスト8敗退に終わった東京五輪は悔しさしか残っていない。世界を相手に戦っていくために、「何を強みにするのかを考える必要がある」と、再度訴えかけた
ベスト8敗退に終わった東京五輪は悔しさしか残っていない。世界を相手に戦っていくために、「何を強みにするのかを考える必要がある」と、再度訴えかけた【Getty Images】

──東京五輪が終わって少し時間が経ちますが、今、あらためて大会を振り返ると、どんな感情が湧き上がってきますか?


 まずは、かつての日常が戻ったとは言い難い状況下で、無事にオリンピックが開催されたことに、とても感謝しています。一方で(準々決勝でスウェーデンに1-3で敗れた)結果については、悔しさしか残っていません。あの大会で、私たちが出来上がったチームとして戦えたかと言われれば、そうではなかった。でも、自分たちができることはやり切ったし、すべて出し切ったと、それだけは胸を張って言えます。個人的には、(1勝1分け1敗に終わったグループステージも含め)勝てない試合はひとつもなかったと思っています。だからこそ、余計に悔しいんです。


──これまでの世界大会では、本番を迎えてから自分たちのサッカーに肉付けがされていく感覚も味わってきたと思いますが、今回はどうでしたか?


 コロナ禍で思うように強化試合が組めなかったり、海外遠征に出られなかったり、確かに難しい問題も多々ありましたが、でも正直、肉付けをするだけでは限界があったのも事実です。あの大会にサプライズはなくて、だからスウェーデンに負けたとき、私の中にあったのは、「あー、これが自分たちの実力なんだな」という思いでした。


──実力通りの結果だった、ということですよね。スウェーデン戦後の記者会見で熊谷選手は、「ここから日本は、何を強みにしていくのかをしっかり考える必要がある」と、女子サッカー界全体に向けて覚悟を持った投げ掛けをしていましたね。熊谷選手が会見で声を詰まらせる姿を初めて見ました。


 あの会見の言葉、もうちょっとメディアのみなさんに拾ってほしかったんですけどね(笑)。言葉選びを間違えないように、考えて考えて、私としては一歩踏み込んだ発言をしたつもりですから。日本の女子サッカーは絶対に変わらないといけないし、なぜ変わらなければいけないのか、そこに選手たちも気づかなければいけない。声を詰まらせたのは……やっぱり、その言葉を口にしなければならない悔しさがあったからでしょうね。

多くの人に見てもらうことが強化につながる

9月に開幕したWEリーグは、DAZNを通してチェックしているという。多くの人の目に触れ、認知度を高めていくことが、女子サッカーの強化につながると強調する
9月に開幕したWEリーグは、DAZNを通してチェックしているという。多くの人の目に触れ、認知度を高めていくことが、女子サッカーの強化につながると強調する【Getty Images】

──変わるという意味では、9月に開幕した日本初の女子プロサッカーリーグ『WEリーグ』が果たす役割も大きいと思います。熊谷選手もドイツからチェックされているんですか?


 結構、見ていますよ。海外にいると、これまでは日本国内のサッカーってなかなか見られなかったんです。でもWEリーグはDAZNで配信されるので、私も含めて国内外の多くの人の目に触れられる。これは本当に大きいですね。


 あと、開幕に向けてそれぞれのチームがそれぞれのやり方で盛り上げようと、いろんな仕掛け、プロモーションをやっていたじゃないですか。そこはこれまでとは全然違いましたよね。プロリーグができたからって、いきなり選手たちのプレーレベルが上がるわけではないけれど、それでも開幕戦にはたくさんのお客さんが入ってくれました。やっぱり、多くの人に見てもらえることが強化につながると思うし、女子サッカーの認知度を高めるために、選手たちにできることはまだまだあるはずなんです。


──認知度アップは重要なポイントですよね。熊谷選手がヨーロッパでプレーしていて、これは興味深かったという女子サッカー普及のための取り組みはありますか?


 加入して間もないバイエルンのことはまだ分からないんですが、リヨンではスポンサー企業関連のイベントがよくありましたね。例えば、選手と子どもたちとのトークイベントを開催して、それに応募してくれた子の名前をユニホームに入れて試合をしたことがあります。コロナ禍でスタジアムに招待することはできなかったんですけど、試合前にオンラインでつないで、「今日は〇〇ちゃんの名前が入ったユニホームを着てプレーするよ!」って、子どもたちと触れ合ったりして。コロナが収束して、あの子たちにエスコートキッズをやってもらったら、もっと盛り上がるでしょうね。

早草紀子

東京工芸短大写真技術科卒業。1993年よりJリーグ撮影を開始。1996年から日本女子サッカーリーグのオフィシャルカメラマンとなる。以降、サッカー専門誌で培った経験を武器に、サッカー撮影にどっぷり浸かる。現在はJリーグ・大宮アルディージャのオフィシャルフォトブラファーであり、日本サッカー協会オフィシャルウェブサイトでは女子サッカー連載コラムを担当している

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