女子サッカー「空白の3年」と確かな未来 ブームが過ぎて…見えた真実

飯尾篤史
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ロンドン五輪銀メダリストの予選敗退は衝撃的なニュースとして世界を駆け巡った 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

 リオ五輪アジア最終予選でまさかの敗退を喫したなでしこジャパン。なでしこフィーバーは幕を閉じ、女子サッカーは再び“冬の時代”を迎えるかに思われたが……。なでしこジャパンのニュースが世間から消えた「空白の3年」の間に、女子サッカー界に何が起きていたのか。選手、クラブ関係者、メデイア、三者の証言をもとに探った。

やがてネガティブな記事すら出なくなり…

 澤穂希から背番号10を受け継いだ大儀見優季(現・永里優季)が顔を覆い、キャプテンの宮間あやが呆然とした様子で立ち尽くす――。

 2016年3月に大阪で開催されたリオ五輪女子サッカー・アジア最終予選。1分1敗で迎えた中国との第3戦に敗れたなでしこジャパンは事実上、五輪出場の望みを絶たれた。まだ敗退が決まったわけではなかったが、3日後の試合で中国が勝ち点1でも獲得すれば、日本は予選敗退となる。

 試合後、佐々木則夫監督は「精いっぱいの準備をして、気を引き締めて最後まで走り切るように、選手と戦っていきたい」と、可能性がある限りあきらめないことを誓った。

 しかし、運命の3月7日、日本vs.ベトナム戦の前に行われた試合で中国が韓国を1-0で下したため、なでしこジャパンは戦わずして予選敗退が決まった。

 このとき、岩清水梓にこみ上げてきたのは、大変なことになるだろうな、という想いだったという。

「先輩たちからシドニーのときのことを聞いていたので、これからどうなっちゃうんだろうなって……」

 リオ五輪予選が終わってまず変化したのは、マスコミだった。チームの醜聞を伝えるゴシップ記事がいくつか出ると、その後はネガティブな記事すら出なくなり、女子サッカー関連の報道が一気に減ったのだ。

 その変化を最も感じたのは、同じメディアの人間だったかもしれない。フリーアナウンサーの日々野真理が振り返る。
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著者プロフィール

東京都生まれ。明治大学を卒業後、編集プロダクションを経て、日本スポーツ企画出版社に入社し、「週刊サッカーダイジェスト」編集部に配属。2012年からフリーランスに転身し、国内外のサッカーシーンを取材する。著書に『黄金の1年 一流Jリーガー19人が明かす分岐点』(ソル・メディア)、『残心 Jリーガー中村憲剛の挑戦と挫折の1700日』(講談社)、構成として岡崎慎司『未到 奇跡の一年』(KKベストセラーズ)などがある。

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