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島田チェアマンが考えるBリーグの未来
「良いときに構造改革をする」
「B.LEAGUEの未来を考える - 2026 NEW B.LEAGUE構想 -」の放送後、島田チェアマンに詳細を聞いた
「B.LEAGUEの未来を考える - 2026 NEW B.LEAGUE構想 -」の放送後、島田チェアマンに詳細を聞いた【スポーツナビ】

 Bリーグは2026年からカテゴリーの再編、構造改革を行う。島田慎二チェアマンは4月19日、スポーツナビでライブ配信した「B.LEAGUEの未来を考える - 2026 NEW B.LEAGUE構想 -」でその狙いや内容をファンに説明した。ただ将来構想の大枠が固まった一方で、詰めの議論も残っている。また、B1やB2のスタンダードが大幅に上がることで、自分の愛するクラブが振り落とされる不安を持つファンもいるだろう。


 どういう理由で新B1の“設計図”が定まり、どのような議論が進行しているのか――。島田チェアマンが残した番組内のコメントや、独自取材をもとに、Bリーグのダイナミックな動きをお伝えしたい。

リーグの現状に強い危機感を持つ島田チェアマン

 島田チェアマンは番組内で、まずこう述べていた。


「なぜ構造改革をするのか――。全てはバスケでもっともっと日本を元気にという思いです。アリーナを通して地域を活性化して、バスケで地域社会の課題を解決する。世の中にとって、もっともっと必要なバスケ界でありたいと考えています」


 Bリーグは現在の2020-21シーズンが開幕から5季目。日本は男子のトップリーグが2005年から約10年にわたって分立し、それも一因となって2014年末から国際バスケットボール連盟(FIBA)の制裁処分を受けた。そこからFIBAや文部科学省の協力を得た専門家会議(タスクフォース)が改革の中心となり、Bリーグの発足にこぎ着けている。各クラブの入場者数や売上は大幅に増え、バスケ界は日本がコロナ禍に見舞われるまで右肩上がりの成長を続けていた。


 もっとも、日本におけるバスケットボールは、まだ野球やサッカーのようなメジャースポーツでない。約50のプロクラブが全国で活動する状況は実現しているものの、ファンに快適な観戦環境を用意できているか、スポンサーに十分なサービスを提供できているかといったら心許ない。


 島田チェアマンは、リーグの現状や今後に対して強い危機意識を持っている。


「数年は右肩上がりでも、どこかでアッパー(天井)が来る。開幕から5年でもうそれを感じていますし、これからじわじわ落ちていくかもしれない。であるならば、良いときに構造改革をしてさらなる成長を促進したい」

 1990年代のJリーグもそうだったが、急成長の直後には勢いが止まって停滞する時期がやってくる。少なくとも島田チェアマンはそう考えている。ファンに向けた発信の中で、彼はこのような課題意識を強調していた。


「クラブ運営は競技と事業、つまりチームオペレーションとビジネスオペレーションの二軸です。今の仕組みだと『降格してはいけない』ということで、チームオペレーション重視に向かっていきます。クラブの資金が事業投資に回らずファンやスポンサー、地域社会に対する還元へ向かっていきません。支えているスタッフや、支援してくださる皆さんの幸せにもつながっていきません」


 さらにBリーグのトップとして、このような方向性を打ち出している。


「(このままでは)地に足をつけて長く存続していくことが難しいのではという考えに立ち、順位による昇降格制度を廃止して、事業力によって新B1・新B2・新B3のカテゴリーに分けます。今のB1は新B1、B2は新B2へと、ステージを1ランク上げるようなライセンスの基準を設けてトライします」


 新B1の3条件は「4000人」「12億円」「アリーナ」だ。4000人は1試合あたりの平均入場者数で、2019-20シーズンのB1では千葉ジェッツ、川崎ブレイブサンダース、宇都宮ブレックスの3クラブがクリアしている。12億円は年間売上(事業収入)の額で、2019年度は新型コロナウイルスの影響を大きく受けた中でも5クラブがクリアしている。新アリーナが完成した琉球はこれまでは未達だが、今後は「4000人」「12億円」に届くだろう。

 現行のBリーグにもクラブライセンス制度があり、B1昇格には、例えばアリーナの要件を満たすことや、債務超過は原則的に認められていないなどのハードルが設けられている(ただし2021−22シーズンまでは特例で債務超過状態が容認されている)。


 新B1はライセンスの基準、ハードルが大幅に上がる。さらに経営力とアリーナがカテゴリーを決める条件となり、競技力は不問となる。直近のシーズンがB3でも、3条件を満たせば新B1の資格を得られる。


 島田チェアマンはこう説明する。


「アリーナができました。お客さんも入っています。売上も作っています。でも5位だったので上がれません……というような状況は分かりづらいかなと考えて、競技成績を条件にするのはやめておこうかなと考えています。それだけの売上を作って盛り上がっている、アリーナの機運も高められているクラブは、結果を出していますよね」

大島和人
大島和人

1976年に神奈川県で出生し、育ちは埼玉。現在は東京都町田市に在住する。早稲田大在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れ、世界中のスポーツと接する機会を得た。卒業後は損害保険会社、調査会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。バスケットボールやサッカー、野球、ラグビー、バレーなどの現場にも小まめに足を運び、試合観戦数は毎年300試合を超える。日本を実はサッカーだけでなくバスケ強国であるスペイン、バレー王国・ブラジルのような球技大国にすることが一生の夢で、“球技ライター”を自称している。

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