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柴崎岳、スペイン挑戦と日本代表を語る
悲観せず、現実を受け止めて、日々成長を
海外でプレーして4シーズン目。ラ・リーガ2部で奮闘する柴崎岳がスペイン挑戦、日本代表について語ってくれた
海外でプレーして4シーズン目。ラ・リーガ2部で奮闘する柴崎岳がスペイン挑戦、日本代表について語ってくれた【Getty Images】

 ラ・リーガに挑戦して4シーズン目、柴崎岳は今、何を思うのか――。テネリフェ、ヘタフェ、デポルティーボと渡り歩き、今季はレガネスの一員として1部昇格を目指して戦う。2年前、ロシア・ワールドカップ(W杯)で輝き、さらなるステップアップを期待されたが、現実はそう甘くない。思い描いた未来とは違う。それでも柴崎は冷静だ。2部で戦う現状に満足することも、悲観することもない。自分を信じて戦い続ける。ラ・リーガ主催のオンライン会見に登壇した柴崎に、スペインでプレーすることの意味、22年のカタールW杯を目指す日本代表について聞いた。その言葉は示唆に富んでいる。(取材日:12月9日)

結果を残せるか、毎日の練習が勝負

――レガネスは4位(第18節終了時)につけています。その手応え、チームのストロングポイントは?


 現在4位、首位とは勝ち点9差かな。まだまだ先があることを考えれば、自分たちで昇格をつかみ取れる位置にいると思います。これからが本当の勝負になってくるかなと。集中力を保って、毎試合どれだけできるかに懸かっていると思います。このチームは守備が非常に安定しているという印象があります。ローテーションの影響はありますが、守備は概ね良くて、そこまで失点していません。攻撃陣が1、2点取れれば、自信を失わずに戦って勝利をつかみ取れるという手応えもあります。だから、守備がレガネスの大きな強みかなと思います。


――ホセ・ルイス・マルティ監督はかなり緻密なトレーニングをしているのではないですか?


 そうですね。試合に向けたトレーニングでは、相手の特徴によって内容を変更することが多い。自分たちのベースももちろんありますが、相手にスポットライトを当てて、じゃあ自分たちはどうしていくかに焦点を絞ったトレーニングも多く含まれています。そういった意味では、戦術的に細かい部分があると思います。ただ、僕はJリーグ時代から変わっていなくて、大切にしているのは練習に100%で臨むということ。スペインに来てから、本当に毎セッションが勝負で、そこで結果を残せるかどうかが大事。チームメートに対してもそうですし、コーチたちに対しても良い印象、試合で使えるという印象を与えるという、勝負の場になっていると思うので、今はそういった気持ちで練習に臨んでいますね。


――過去に在籍したヘタフェはレガネスの隣町で、ライバル関係にあります。レガネスの選手として生活していて、ヘタフェとのライバル関係を感じることはありますか?


 日々感じることはないです。もちろんダービーと言われるように隣町なので、試合があれば、ですかね。僕もヘタフェ時代にレガネスと試合をして、そういった関係を目の当たりにして、熱の入る試合というのを経験しました。今はカテゴリーが違うので、そこまで感じることはないかなと思います。1部に上がってヘタフェとやれることがあれば、またそういった熱を十分に感じることができると思います。

スペインで求められるのは「戦い」

スペインでは「戦い」が求められる。その環境に適応した結果、守備能力が向上したという
スペインでは「戦い」が求められる。その環境に適応した結果、守備能力が向上したという【Getty Images】

――日本にいるときとスペインに来てからで、サッカーに対する考え方は変わりましたか?


 シンプルに言うと、日本にいた頃はどちらかと言うと、サッカーに対してテクニカルなイメージというか、どれだけサポーター、ファンを魅了するプレーができているかを意識していました。もちろん、結果を求めていないわけではなくて、そういったものを求められている感覚もあったので、魅せることをポイントに置くプレーも多かったですね。


 でも、こっちに来てからは、どちらかと言うと、戦いを求められているというイメージがあります。日本にいるファンの皆さんはスペインリーグに対してどういったイメージを持たれているかと言えば、テクニカルで華やかな世界というイメージがあるかもしれません。でも、やっている僕の身からすると、肌で感じる部分というのは、デュエルの部分だったり、よりフィジカル的なところ。高いレベルを求められているというのがリアルな感想ですね。


 もちろん、ファンを満足させるという点は普遍的だと思います。でも、日本でのベースと言われる部分は、こっちの方がレベルが高いのではないかと思います。


――もうすぐスペインに来て4年になります。移籍にあたっては他の国でプレーする選択肢もあったと思いますが、スペインに残りました。ここでプレーし続ける意味は?


 もともとはユース年代のときに、スペインに国際トーナメントで来たことが非常に印象に残っていて、その頃からいつかスペインリーグでプレーしたいなと思っていました。移籍するときはそういった気持ちで、やはりスペインリーグに大きな魅力を感じていましたし。そこから4年が経って、まだまだ自分はこのリーグでやれる、成長できると感じている部分もあります。もちろんスペイン国外という選択肢もなかったわけではないですけど、今は2部なので、ここで結果を残してレガネスとともに1部でプレーするという目標に集中しています。今はそれしか考えていないという感じですかね。


――スペインだからこそ学べることがあるから、スペインで続けているのですか?


 こだわっていると言えば、こだわっているのかな。それは無意識の中にあるのかもしれないですけど。現実的にスペインでプレーしていれば、スペインのチームから評価を受けることが必然的に増えたり、他のチームのコーチや強化部から評価を受けることが多くなるので、必要としてくれるクラブもスペイン内にあると思っています。


 自分も歳を重ねるにつれてスペインリーグにアジャストしていって、やるべきことも分かってきています。言葉もそうですけど、そういう部分は自分にとってメリットでもあります。もちろんスペイン国外でやるという選択肢も持っていないわけではないです。でも現実的に自分を、人柄、パーソナルな部分も含め、プレーでも評価してくれているところが、スペイン国内には今のところ存在しているので、これまでの決断になってきたのかなと思います。

工藤拓
工藤拓

東京生まれの神奈川育ち。桐光学園高‐早稲田大学文学部卒。幼稚園のクラブでボールを蹴りはじめ、大学時代よりフットボールライターを志す。2006年よりバルセロナ在住。現在はサッカーを中心に欧州のスポーツ取材に奔走しつつ、執筆、翻訳活動を続けている。生涯現役を目標にプレーも継続。自身が立ち上げたバルセロナのフットサルチームは活動10周年を迎えた。

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