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錦織圭が紡ぎ始めた新たなストーリー
フェデラーばりの「30代で完全復活」へ

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十分な試合数もこなせないまま迎えた全仏オープンは2回戦敗退。それでも錦織は「いい時の自分」に向かって、ここから一歩一歩進んでいく決意だ
十分な試合数もこなせないまま迎えた全仏オープンは2回戦敗退。それでも錦織は「いい時の自分」に向かって、ここから一歩一歩進んでいく決意だ【Getty Images】

 錦織圭にとって13カ月ぶりのグランドスラムとなった全仏オープンは、2回戦敗退に終わった。プレーに安定感を欠いたのは事実だろう。ただ、攻撃的なテニスを貫いたこと、また合計10セットを戦えたことも、今後に向けて大きな収穫となったはずだ。長いブランクを経てツアーに戻り、30代で完全復活を遂げたケースは世界的にも稀だが、それでも日本が誇るスーパースターが、新たなストーリーを紡ぎ始めたことだけは間違いない。

今の錦織にエバンスは嫌な相手だった

 失って初めてその価値を知るとはよく言われるが、取り戻して初めて、それまで押し殺していた欲求の存在を実感することもある。


 テニスはまさに今がその時だ。エキサイティングな日常はまだほとんど取り戻せていないが、少なくとも世界最高峰のグランドスラムで、連日試合が行われている。


 9月27日に開幕した全仏オープンでは、わずか1000人の制限付きとはいえ観客が帰ってきた。ナイスプレーのあとに聞こえる歓声は、本来の10分の1のボリュームにさえ満たないにもかかわらず十分に刺激的で、半年ぶりどころではない懐かしさがこみ上げる。


 そんな光景の中に、13カ月ぶりにグランドスラムのコートに立つ錦織圭を見ることができたのは二重の喜びだった。錦織は、昨夏に負った右肘のケガとその後のリハビリの辛さ、長いブランクで感じた不安などをことさら感情的に語るわけでもなく、また8月の新型コロナウイルス感染の不運を恨むわけでも、この場所に戻って来られた感激を饒舌に表現するわけでもない。

山口奈緒美

1969年、和歌山県生まれ。ベースボール・マガジン社『テニスマガジン』編集部を経てフリーランスに。1999年より全グランドスラムの取材を敢行し、スポーツ系雑誌やウェブサイトに大会レポートやコラムを執筆。大阪在住。

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