ダバディ氏が考える大坂なおみの抗議行動 「スポーツに政治を持ち込むな」は的外れ
7枚のマスクを用意し、決勝まで勝ち上がり、2度目の優勝を果たした大坂なおみ。フランスでも「本物のスターの誕生」との期待が高まっているという 【Getty Images】
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本物の女王になるのは1年後か2年後か
2年前の全米オープンと翌年の全豪オープンに続けて優勝した力はフロックではありませんが、本当のスターのオーラを醸し出せるかどうかという点では、懐疑的なメディアもありました。実際、昨年はスランプも長かったわけですが、今回の全米オープンでまた強いなおみが帰って来ただけじゃなく、『BLACK LIVES MATTER』の活動で強烈なアイデンティティーとメッセージを発信した。
そのメッセージはタイムリーだったし、スポンサーであるナイキもその路線でのプロモーションを明確に打ち出していますよね。ラッパーの恋人、コーデー君ともケミストリーがいいように感じますし、周りも含めてすべてが彼女を押し出している印象です。
メディアがそうした女子選手をずっと求めていたという背景もあります。長年、セリーナ・ウィリアムズがその地位にいましたが、あとに続く選手がいなかった。もうすぐ39歳になるセリーナはプレーヤーとして明らかに苦しくなってきているので、その中で自然となおみが女子テニス界のクイーンになりつつあります。
ただ、プレーヤーとしてはまだ完全に認められているとは言えない。今のところタイトルはすべてハードコートで、クレーや芝では結果を出していません。完全に「どこからでもかかってこい」というような安定感はまだないですよね。
特にフランス人の観客は、ローラン・ギャロス(全仏オープンの会場)で結果を出していない選手に対して冷たいところがある。スライスやドロップやボレーなどを織り交ぜたスペクタクルなテニスは、彼らが好きなプレーであると同時に、なおみがクレーや芝で勝っていくためにももっと磨いていく必要のあるものでしょう。
現時点では強烈なアイデンティティーがやや先行してはいますが、今はそれで問題ないと考えています。いつかテニスが完全に追いついて、本物の女王になるのは1年後なのか2年後なのかは分かりませんが、確実にそこに向かって進んでいますから。
オリンピック自体がすべて政治
大好きな母親が挑んできた気高い戦いを今は自分が背負っている、という印象を受けるとダバディ氏は語る 【Getty Images】
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