錦織圭、13カ月ぶりのグランドスラム 全仏で「新しいケイ」を披露できるか?
約1年のブランクがある錦織にとって今は我慢の時期。全仏オープンでは結果より内容を重視し、この先に繋げたい 【Getty Images】
3月復帰の予定も、狂ったシナリオ
昨夏の全米オープンを最後に右肘のケガでツアーを離れたのだが、手術後のリハビリと復帰準備には思いのほか時間がかかり、最終的に今年3月復帰が目されていたところ、まさにそのタイミングでツアーはコロナによる中断へと突入。そして8月、ニューヨークでのウエスタン・アンド・サザン・オープンでのツアー再開に1年ぶりの復帰を重ねるという新たなシナリオは、自身のコロナ感染によって幻となった。
8月末開幕の全米オープンには間に合うタイミングで陰性の検査結果が出たものの、「5セットマッチを戦う準備はできていない」と判断。4カ月の延期で9月27日に開幕する全仏オープンに向けたクレーコートで、ようやく復帰を果たしたという経緯だ。
遅れを取り戻さんとばかりに、全米オープンの2週目にあたる週に開催されたキッツビューエルの『250』から、ローマの『マスターズ1000』、そしてハンブルクの『500』と毎週のようにエントリー。そこにまず決意が込められていた。
「今年は、グランドスラムに照準を合わせるとか言っていられない状況。なるべく試合数をこなすことが第一目標です」
結果的にクレーでの復帰となったことは、前向きに捉えていた。
「ラリーが続くので、その中でリズムをつかみやすいし、自分のテニスを戻すという意味でクレーはちょっと近道になる」
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