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パ・前半戦MVPをみんなで決めてみた
涌井が移籍1年目で「エースの働き」

 今季、開幕前の評論家諸氏によるパ・リーグ順位予想は、大半が「1位・福岡ソフトバンク」であった。攻走守すべてにおいて、戦力充実。デスパイネ、グラシアルのキューバコンビが開幕に間に合わなくても、バレンティンがいる。ケガで出遅れた投手陣も帰ってくる、と。


 フタを開けてみれば、やはりソフトバンクは強かった。しかし、である。何もかも計算通りに事が進むなら、ペナントレースはこうも盛り上がらない。嬉しい誤算が必ずあるし、冷や汗ものの誤算も付きものだ。そんな中、スポナビユーザーによるパ・リーグ前半戦MVP投票はどうなったか。

投手編:涌井が50%超の得票率、SB勢は3人ランクイン

開幕8連勝と、移籍1年目からエースの働きを見せる楽天・涌井
開幕8連勝と、移籍1年目からエースの働きを見せる楽天・涌井【写真は共同】

 まずは投手編。


 1位の涌井秀章(東北楽天)は前半戦、自己最長となる開幕8連勝。8月5日のソフトバンク戦では、球団史上初のノーヒットノーランまであと2人、という快投を見せた。今季、千葉ロッテから移籍。ある程度の勝ち星は計算しても、ここまでの活躍は期待されていなかったのではないか。『ザ・エース』と呼びたい孤高のマウンドさばきと圧倒的な力で、50%以上の得票率をものにした。


 ソフトバンクからは、盤石の救援陣からモイネロ、先発陣から石川柊太和田毅が上位にランクイン。“嬉しい誤算”という表現には当たらないだろうが、石川が前半戦9試合に登板し無傷の6勝を挙げたのは大きかった。勝ち星、防御率ともトップ争いに加わり、奪三振率10.13は千賀滉大と同水準。8月1日の埼玉西武戦でプロ入り初完投初完封。試合を2時間21分で終わらせ、「大好きなももクロ(ももいろクローバーZ)のライブ配信に間に合った(間に合わせた?)」逸話でもすっかり名を挙げた。


 ロッテは守護神・益田直也が前半戦のセーブ数で抜けており、上位に入った。先発陣では、昨年エースの座に躍り出た種市篤暉が、右ひじ違和感で8月初めに抹消。得票を下げた。

オリックス・山本は打線の援護に恵まれないが、さすがの投球内容でファンに支持された
オリックス・山本は打線の援護に恵まれないが、さすがの投球内容でファンに支持された【写真は共同】

 エース・山岡泰輔が2カ月離脱していたオリックスは、ローテの柱・山本由伸がなかなか勝ち星に恵まれなかった。それでも“前半戦のエース”として、チーム投手陣で最多票を集めた。


 一方、北海道日本ハムはエース・有原航平が不調で、その穴を埋める活躍の新外国人・バーヘイゲンが上位に食い込んだ。宮西尚生はプロ史上初の通算350ホールドを達成し、文句なしのランクインだ。


 そして埼玉西武。ここは順位といい、誤算だらけの前半戦だっただろう。秋山翔吾(レッズ)が抜けたとはいえ、評論家諸氏の予想も依然Aクラスであった。ピッチングスタッフは先発陣が踏ん張れず、中継ぎ頼り。中でもプロ3年目の平良海馬は3連投も辞さないマウンドで、セットアッパーを務める。20歳にして最速160キロの速球も魅力の新人王候補。西武投手陣トップの票を得たのも、当然か。

前田恵

1963年、兵庫県神戸市生まれ。上智大学在学中の85、86年、川崎球場でグラウンドガールを務める。卒業後、ベースボール・マガジン社で野球誌編集記者。91年シーズン限りで退社し、フリーライターに。野球、サッカーなど各種スポーツのほか、旅行、教育、犬関係も執筆。著書に『母たちのプロ野球』(中央公論新社)、『野球酒場』(ベースボール・マガジン社)ほか。編集協力に野村克也著『野村克也からの手紙』(ベースボール・マガジン社)ほか。豪州プロ野球リーグABLの取材歴は20年を超え、昨季よりABL公認でABL Japan公式サイト(http://abl-japan.com)を運営中。

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