シャビ・アロンソらの証言に基づく回顧 “イスタンブールの奇跡”の舞台裏に迫る
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世界中のどこに行っても話題になるのは
3点のビハインドを追いつき、そのまま延長PK戦を制して頂点まで駆け上がった04-05シーズンのリバプール。「奇跡」と呼ぶにふさわしいCLファイナルだった 【Getty Images】
スタジアムは約3年前に開設されたばかりで歴史が浅く、しかもサッカーファンが忌み嫌う陸上トラック付きだ。舞台装置的には、伝説の試合になる要素は少なかった。しかし、サッカーとは意外性に満ちたスポーツであり、結果的にこのミラン対リバプールの一戦は、多くの人たちの脳裏に刻まれる伝説となるのだ。
とりわけ、後半の54分からわずか6分間に起こった出来事は、サッカーファンの間で永遠に語り継がれるだろう。3点のビハインドで前半を折り返したリバプールが、その短時間で立て続けにゴールを奪い、試合を振り出しに戻してしまったのだから。しかもサッカーの神様は、不屈のイングランドの名門にさらなるプレゼントを用意していた。PK戦にまでもつれた試合は、結局リバプールに軍配が上がるのだ。
ミランは2年前のヨーロッパ王者だった。チームにはダブルエースのカカとアンドリー・シェフチェンコ、百戦錬磨のカフーとパオロ・マルディーニがいて、さらにアンドレア・ピルロ、ジェンナーロ・ガットゥーゾ、クラレンス・セードルフ、エルナン・クレスポといった錚々(そうそう)たる実力者たちが名を連ねていた。
一方のリバプールはそのシーズン、当時新進気鋭のラファエル・ベニテスを監督に招聘し、名門再建の途上にあった。国内リーグのタイトルからは1990年を最後に、ヨーロッパの覇権からは1984年を最後に、もうずいぶんと長い間、遠ざかっていた。
そして、そのベニテスとともにリバプールに加入したのが、シャビ・アロンソだった。現在、レアル・ソシエダのBチームを率いる指揮官は、昨日のことのように当時を振り返る。
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