逆転突破へマンCとの決戦に臨むマドリー 戦術アナリストが授ける「4つの策」とは
敗れたファーストレグでもゴールを決めたイスコを、今回も「偽のウイング」として起用したい。ポゼッションを高めて、S・ラモス不在の最終ラインの不安を軽減する狙いだ 【Getty Images】
「ボールを握れる」イスコを右で使う効果
1点のビハインドでアウェーに乗り込むスコア的な要素(本拠地サンチャゴ・ベルナベウで2つのアウェーゴールを与えたのは痛かった)に加え、その難易度を高くしているのが、ファーストレグの一発退場で出場停止となったセルヒオ・ラモスの不在だ。
この偉大なカピタンの存在感はこうした大一番でこそ発揮され、事実、過去のチャンピオンズリーグ(CL)の決勝トーナメントにおいて、S・ラモスが欠場した計7試合のうち、マドリーが勝ったのはわずかに1試合だけなのだ(通算1勝1分け5敗:唯一の勝利は2014-15シーズンのラウンド16、アウェーのシャルケ戦)。
いかに中断期間明けのラ・リーガで無敵の強さを誇り、3年ぶりの覇権奪還に成功した勢いのあるマドリーとはいえ、強敵マンチェスター・シティ(マンC)を逆転するのは簡単ではない。ただ、それだけに興味深いのが、この状況でジダン監督がどのような策を講じてくるか、だ。
本稿では文字数の制限もあるため、S・ラモスの欠場によるマイナスの要素を列挙することはあえてしない。メンタル、戦術の両面でその影響が甚大であることは自明の理だからだ。
ここでは、マンCを攻略し、逆転でのベスト8進出を果たすための「4つのポイント」に絞って話を進めていきたい。
マドリーの攻撃が、左サイドに比べて右サイドが弱いことは、もはや周知の事実だろう。
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