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3枚替えは珍しくない!?
ルール変更で上がったJの「娯楽性」
Jリーグ再開後はアグレッシブな攻防が増え、逆転のドラマも少なくない
Jリーグ再開後はアグレッシブな攻防が増え、逆転のドラマも少なくない【写真:西村尚己/アフロスポーツ】

 今、Jリーグが格段に面白くなっている。


 偶然ではない。考えられる理由はいくつもあるが、コロナ禍の及ぼす影響や再開後の過密日程を踏まえて導入された「特別ルール」も影の演出家としてポジティブな要素をもたらしている。

J2は「スリルとサスペンスの宝庫」

 まずもって、降格がない。


 残留争いの過度なストレスから解放され、選手の起用法からプラン変更、新しいゲームモデルの実装に至るまで、冒険を試みる余白が生まれた。その影響だろうか、再開後はアグレッシブな攻防が増え、派手なゴールラッシュや壮絶な撃ち合いは言うに及ばず、見る者が腰を抜かすような逆転のドラマも少なくないのだ。


 スリルとサスペンスの宝庫――と言えば、J2だろう。何しろ、0-3という一方的なスコアがひっくり返った試合が2つもある。まず、再開初戦で愛媛FCが徳島ヴォルティスを相手にやってのけると、今度はその愛媛を相手にツエーゲン金沢がわずか15分足らずで3点のビハインドをはねのける大逆転を演じてみせた(10節)。


 また、凄まじいシーソーゲームにも触れておきたい。京都サンガがモンテディオ山形を4-3で粘り下した一戦(10節)だ。0-1、2-3という二度の窮地を脱して、勝ち点3をつかみ取っている。勝利の立役者は1人で4ゴールをかき集めた大黒柱のピーター・ウタカだった。

相手を混乱させる「5人交代制」

新ルールを効果的に使い、首位を走る川崎フロンターレ。交代枠をフル活用して駒を次々と送り込んで攻撃のギアを上げる
新ルールを効果的に使い、首位を走る川崎フロンターレ。交代枠をフル活用して駒を次々と送り込んで攻撃のギアを上げる【写真:森田直樹/アフロスポーツ】

 もっとも、再開後の一大特徴は主力よりもむしろ、交代選手が勝負の決め手になりやすいことだろう。背景にあるのは3人から5人に拡大された交代枠の変更だ。これがゲームの行方を複雑怪奇にし、スリリングな攻防を量産する仕掛けとなっている。イレブンの半数近くが入れ替え可能なのだから、何が起きても不思議はない。


 先に触れた愛媛の逆転劇などは、その好例だろう。始まりはハーフタイムの3枚替えである。これで1点を返し、波に乗った。70分には4枚目のカードを切って2点を奪い、3-3の同点に追いつくと、89分に5人目を投入。ついにはアディショナルタイムに極上のドラマを締めくくる4点目をたぐり寄せた。


 まさに5人交代制はこう生かせ――という見本のような試合だった。現在では3枚替えも珍しくない。北海道コンサドーレ札幌などは、4枚替えを試みているほどだ。マークの確認など、対戦相手を混乱させるのに十分な要素となっている。


 この新ルールを効果的に使い、J1で首位を突っ走るのが川崎フロンターレだ。交代枠をフル活用してガス欠を防ぎ、フレッシュな駒を次々と送り込んで攻撃のギアを上げる巧みな運用が際立っている。とにかく、後半に入って一気に畳みかけるときの迫力が凄まじい。

 

 エースの小林悠、大卒新人の三笘薫や旗手怜央らがゲームの流れを引き寄せ、瞬く間に片をつける。小林の場合、1試合2ゴールが3度。いずれも後半からの出場で記録したものだ。日本人離れしたスケールで覚醒中の三笘にしても、これまで稼いだ5得点のうち4得点を交代出場で奪っている。このあたりは圧倒的な選手層を誇る川崎ならではの芸当とも言えるが。

エルゴラッソ

サッカー新聞エル・ゴラッソ。通称エルゴラ。国内外の最新サッカーニュースを日本代表の番記者、J1・J2全40クラブの番記者、海外在住記者が、独自の現地取材をもとに、いち早くお届けします。首都圏の駅売店およびコンビニエンスストア・関西地域の主要駅売店にて発売中。

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