「君がいてくれて本当によかった」 引退のカシージャスに感謝と惜別の言葉

エルゴラッソ

8月4日に引退をカシージャス。彼の素晴らしい実績に惜しみない感謝と惜別の言葉が送られた 【写真:ロイター/アフロ】

 2020年8月4日、スペインが誇るレジェンドGKイケル・カシージャスが、サッカー人生に幕を下ろすことを自身のSNSで発表した。
 レアル・マドリードやスペイン代表で長らく活躍した守護神は、昨季までの直近5年間はポルトガルの強豪・FCポルトに在籍していたが、39歳にして引退を決意したようだ。このビッグニュースにスペイン国内のみならず、世界中の関係者からファンまで、多くの人々が彼の素晴らしい実績に惜しみない感謝と惜別の言葉を残している。

カシージャスのスペインでのキャリア

 あらためてカシージャスのキャリアを振り返ると、1981年5月、マドリード南西部のモストレスで生まれたカシージャスは9歳の時にレアル・マドリードの下部組織へと入団する。プロデビューを果たしたのは、1999-2000シーズン第3節アスレティック・ビルバオ戦。当時の主力GK陣の負傷もあり、18歳にしてビッグチャンスを得る。

 年末の12月にはスタメンの座をつかんだカシージャスは、同シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)決勝のバレンシア戦では当時史上最年少での決勝出場を果たし欧州王者に輝くなど、デビューイヤーから最高のキャリアを歩み始めた。

 その後の活躍は多くのサッカーファンの知るところだ。2000年前半にはレアル・マドリードが元ブラジル代表FWロナウドや元イングランド代表MFデイビッド・ベッカムなど攻撃面で秀でたタレントをそろえ「銀河系集団」と呼ばれていた中、チームが前がかりになり過ぎることもありピンチを多く迎える中、何度もスーパーセーブを連発。その奇跡的なパフォーマンスから、気づけば「聖人」という愛称までつけられるようになった。

 2010-11シーズンからはキャプテンを務めたカシージャスは、マドリーで通算510試合に出場。5回のリーグ優勝、3回のCL優勝を経験するなど、一時代を築いた。そんなカシージャスの素晴らしいセービングの数々を、リーガ公式Twitterが掲載している。
 そして忘れてはならないのがスペイン代表での記録だ。代表でも2000年から15年間守護神を務めて167試合に出場。主将として2008年、12年の欧州選手権での連覇を成し遂げた他、2010年の南アフリカワールドカップでも優勝を果たした。

 ただしカシージャスという男の素晴らしい点はタイトルだけで語られるものではない。負け試合でも記憶に残るシーンを数々残してきた。その代表例のうちの一つを、UEFAチャンピオンズリーグ公式Twitterは、2008-09シーズン、決勝トーナメント1回戦第2戦リヴァプールのホーム、アンフィールドで行われた一戦でのプレーを紹介している。

 試合自体は、0-4で敗戦、第1戦との2試合合計で0-5で敗れて、大会から敗退する結果に終わったが、そんな最悪のチーム状況でもカシージャスは孤軍奮闘。サガン鳥栖にも所属したことでなじみ深い元スペイン代表FWフェルナンド・トーレスや、元イングランド代表MFスティーブン・ジェラードらの強烈なシュートを次々にストップ。結果は残らずとも、記憶に残るようなパフォーマンスを披露した。

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著者プロフィール

サッカー新聞エル・ゴラッソ。通称エルゴラ。国内外の最新サッカーニュースを日本代表の番記者、J1・J2全40クラブの番記者、海外在住記者が、独自の現地取材をもとに、いち早くお届けします。首都圏の駅売店およびコンビニエンスストア・関西地域の主要駅売店にて発売中。

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