マンUを変貌させたポルトガル人司令塔 ブルーノ・フェルナンデスの適応力
すでにユナイテッドのエースになりつつあるポルトガル人司令塔の、適応力やコミュニケーション能力について紹介する 【Getty Images】
マンチェスター・ユナイテッドがスポルティングCPからポルトガル代表MFブルーノ・フェルナンデスを獲得すると、瞬く間にチームに適応。持ち前のパスセンスで赤い悪魔のサッカーを劇的に良化させることに成功したのだ。このチームに溶け込むスピード感には驚かずにはいられない。そこで今回はすでにユナイテッドのエースになりつつあるポルトガル人司令塔の、適応力やコミュニケーション能力について紹介していく。
マンチェスターの地にも適応
日本時間7月17日に行われたプレミアリーグ第36節クリスタル・パレス対マンチェスター・ユナイテッドの一戦で、アウェーチームが2-0で勝利。苦しい時間帯も長かったが、なんとか勝ち点3をもぎ取った翌日の投稿である。内容は「昨日はいい結果だ。よくやった、みんな!」というもの。
内容そのものはなんでもないのだが、「lads」という単語に注目したい。この英単語は直訳すると「男性」「若者」などを指す「lad」の複数形だ。ただこの単語、イギリスでは基本的にロンドンより北部のエリアを中心に使われるワードなのである。そのためロンドンでは近しい意味を持つ「guy」を「Hey guys(やあ、みんな)」などと使う。
フェルナンデスは、ユナイテッドに加入する以前から、基本的な英語は話せるレベルだったという。ただもちろん母国語ではないため、流暢(りゅうちょう)ではなかったことを考えると、これはマンチェスターに住み始めてからこの北部特有の表現も使うようになったのだろう。
適応力とリーダーシップ
ポルトガルから来た英雄は、リーダーシップに溢(あふ)れる側面も併せ持つ 【Getty Images】
ユナイテッド公式サイトにフェルナンデス本人が語った内容によると、マンチェスターに到着し、自身の家を契約するまでの間の1週間程度はホテル住まいになるはずだったのだ。しかし同郷のポルトガル人DFディオゴ・ダロットの自宅に泊めてもらい、ダロットの母親に晩御飯を振る舞ってもらったという。英メディア『メトロ』によると、その後、練習場までダロットの車に乗せていってもらったという話もある。ちなみにダロットは21歳、フェルナンデスは25歳、年下相手にも懐に入っていける、気さくなキャラクターなのかもしれない。
ポルトガルから来た英雄は、同時に、リーダーシップに溢(あふ)れる側面も併せ持つ。デビュー戦のウォルバーハンプトン戦ではすでにピッチ内の指揮官と言わんばかりに、周りの選手をコーチングで動かしていた。
あるいは、英メディア『メトロ』によると、天性のリーダーであるこの男は、練習参加初日の時点で、攻撃参加に課題を残すイングランド代表DFアーロン・ワン・ビッサカに対して、攻撃面でより良いプレーをするためのアドバイスを行っていたという。実際、ワン・ビッサカはクロスの精度が良くなってきたほか、徐々に攻撃参加に関するポジショニングが良くなってきている。