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「熱い思い」が交錯するペナントレース
今シーズンに懸ける男が多い球団が躍進?

 スポーツナビでは、「再起をかけたベテラン」「育成から支配下へ」「2年目のジンクスに挑む」「勝負のプロ5年目」「移籍1年目」のテーマで、5人のプロ野球選手に「今シーズンにかける思い」を聞いた。


 取材で話を聞いたのは開幕前から開幕直後の期間。その後、順調に今シーズンのスタートを切った選手、怪我などの影響で二軍スタートとなった選手と明暗が分かれたが、長いシーズン、彼らの活躍に期待したい。まだシーズンが始まったばかりだが、今回取材した5人を含め、他の「今シーズンに懸ける男たち」の動向を追ってみたい。

西武の両ベテラン投手、再起に期待

14年ぶりに西武に帰ってきた松坂。この右腕も「今シーズンに懸ける」選手の一人だ
14年ぶりに西武に帰ってきた松坂。この右腕も「今シーズンに懸ける」選手の一人だ【写真は共同】

 昨季、炭谷銀仁朗の人的補償として埼玉西武入りした内海哲也。その移籍初年度は、プロ入り16年目にして初めて、一軍登板ゼロという屈辱の年になった。内海は「これを僕だと思ってほしくない」と昨オフ、古傷の左前腕を手術。「今年やらなければ、もう自分はおしまい」と野球人生を賭け、今季に臨む。


 長らく阪神の“顔"だった鳥谷敬は昨季、その阪神から事実上の戦力外通告を受けた。獲得の意思を見せる球団が現れず、一時は引退の危機もささやかれたが3月10日、千葉ロッテに電撃入団。その後はプロ1年目から17年連続となる、開幕一軍の座を獲得。途中出場からの代走や守備固めで、ベテランの味を見せている。


“再起”といえば、14年ぶりに古巣・西武に復帰した松坂大輔の動向も気になるところ。開幕前の練習試合に登板したが、辻発彦監督に「いいときのマツじゃない」と調整不足を指摘され、二軍スタートとなっている。二軍のローテーションで100球をメドに投げられることが、一軍昇格の条件。内海と2人、どちらが先にメットライフドームのマウンドでその雄姿を見せるか。

好調のチームを支える、育成上がりの急成長株

元陸上部という異例の経歴で話題になったロッテ・和田。支配下登録されて早々に「代走の切り札」のポジションをつかみつつある
元陸上部という異例の経歴で話題になったロッテ・和田。支配下登録されて早々に「代走の切り札」のポジションをつかみつつある【写真は共同】

 福岡ソフトバンク・リチャードは育成選手として入団。3年目の今年3月、支配下登録を勝ち取った。「一軍はすごいメンバーばかり。その中でやれるか、最初は不安しかなかった」と言うが、その飛距離は自他ともに認めるところ。バッティングの迷いさえなくなれば、「(打球直撃で)PayPayドームの電光掲示板を壊す」目標にも近づけそうだ。


 一方、BCリーグを経て育成入団3年目の千葉ロッテ・和田康士朗はリチャードから3カ月遅れた今年6月、支配下登録。一気に開幕一軍まで上り詰めた。埼玉・小川高時代は陸上部に所属していたこともあるという変わり種。超俊足を生かした代走出場で、日々経験を積んでいる。今は足が注目されているが、そのフルスイングと、柳田悠岐(ソフトバンク)を目標にしていることから“和ギータ”と呼ばれており、打力開花の日も待たれる。

“2年目のジンクス”に立ち向かう選手の奮起は

ルーキーイヤーの昨季は7勝を挙げたDeNA・上茶谷だが、今季は右肘のケガで離脱。2年目のジンクスにハマらないようにしたいところだ
ルーキーイヤーの昨季は7勝を挙げたDeNA・上茶谷だが、今季は右肘のケガで離脱。2年目のジンクスにハマらないようにしたいところだ【写真は共同】

 ルーキーイヤーの昨季、7勝を挙げた上茶谷大河(横浜DeNA)は右肘炎症で出遅れ。今永昇太、濱口遥大、東克樹、上茶谷と4年連続、チームの大卒ドラフト1位投手“2年目のジンクス”にならないよう、巻き返したい。


 上茶谷と東洋大の同期・甲斐野央(ソフトバンク)も、春季キャンプで右肘じん帯一部損傷が発覚し、リハビリ中。昨季の盗塁王に輝いた近本光司(阪神)は2年目の今季、打率1割台と不振が続いている。「信じて、我慢して使っていく」と話すのは矢野燿大監督。甲斐野、近本ともに、開幕ダッシュに失敗したチームの起爆剤になりたいところだ。


 そんななか、高卒2年目で気を吐いているのが戸郷翔征(巨人)。6月30日、チームトップタイの2勝目を挙げた。高卒2年目以内で開幕ローテーションからの連勝は「いつかは並びたいと思っている」という桑田真澄以来、球団史上33年ぶり3人目。昨季は同期の吉田輝星(北海道日本ハム)、根尾昂(中日)、藤原恭大(ロッテ)が話題を集めたが、現時点では戸郷が大きくリードしている。「チームの日本一を考えたとき、自分が投球回数を伸ばすことが一番」と言う通り、1年間ローテを守り、どこまで勝ち星を伸ばせるか楽しみな存在になった。

前田恵

1963年、兵庫県神戸市生まれ。上智大学在学中の85、86年、川崎球場でグラウンドガールを務める。卒業後、ベースボール・マガジン社で野球誌編集記者。91年シーズン限りで退社し、フリーライターに。野球、サッカーなど各種スポーツのほか、旅行、教育、犬関係も執筆。著書に『母たちのプロ野球』(中央公論新社)、『野球酒場』(ベースボール・マガジン社)ほか。編集協力に野村克也著『野村克也からの手紙』(ベースボール・マガジン社)ほか。豪州プロ野球リーグABLの取材歴は20年を超え、昨季よりABL公認でABL Japan公式サイト(http://abl-japan.com)を運営中。

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