「熱い思い」が交錯するペナントレース 今シーズンに懸ける男が多い球団が躍進?
取材で話を聞いたのは開幕前から開幕直後の期間。その後、順調に今シーズンのスタートを切った選手、怪我などの影響で二軍スタートとなった選手と明暗が分かれたが、長いシーズン、彼らの活躍に期待したい。まだシーズンが始まったばかりだが、今回取材した5人を含め、他の「今シーズンに懸ける男たち」の動向を追ってみたい。
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西武の両ベテラン投手、再起に期待
14年ぶりに西武に帰ってきた松坂。この右腕も「今シーズンに懸ける」選手の一人だ 【写真は共同】
長らく阪神の“顔"だった鳥谷敬は昨季、その阪神から事実上の戦力外通告を受けた。獲得の意思を見せる球団が現れず、一時は引退の危機もささやかれたが3月10日、千葉ロッテに電撃入団。その後はプロ1年目から17年連続となる、開幕一軍の座を獲得。途中出場からの代走や守備固めで、ベテランの味を見せている。
“再起”といえば、14年ぶりに古巣・西武に復帰した松坂大輔の動向も気になるところ。開幕前の練習試合に登板したが、辻発彦監督に「いいときのマツじゃない」と調整不足を指摘され、二軍スタートとなっている。二軍のローテーションで100球をメドに投げられることが、一軍昇格の条件。内海と2人、どちらが先にメットライフドームのマウンドでその雄姿を見せるか。
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好調のチームを支える、育成上がりの急成長株
元陸上部という異例の経歴で話題になったロッテ・和田。支配下登録されて早々に「代走の切り札」のポジションをつかみつつある 【写真は共同】
一方、BCリーグを経て育成入団3年目の千葉ロッテ・和田康士朗はリチャードから3カ月遅れた今年6月、支配下登録。一気に開幕一軍まで上り詰めた。埼玉・小川高時代は陸上部に所属していたこともあるという変わり種。超俊足を生かした代走出場で、日々経験を積んでいる。今は足が注目されているが、そのフルスイングと、柳田悠岐(ソフトバンク)を目標にしていることから“和ギータ”と呼ばれており、打力開花の日も待たれる。
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“2年目のジンクス”に立ち向かう選手の奮起は
ルーキーイヤーの昨季は7勝を挙げたDeNA・上茶谷だが、今季は右肘のケガで離脱。2年目のジンクスにハマらないようにしたいところだ 【写真は共同】
上茶谷と東洋大の同期・甲斐野央(ソフトバンク)も、春季キャンプで右肘じん帯一部損傷が発覚し、リハビリ中。昨季の盗塁王に輝いた近本光司(阪神)は2年目の今季、打率1割台と不振が続いている。「信じて、我慢して使っていく」と話すのは矢野燿大監督。甲斐野、近本ともに、開幕ダッシュに失敗したチームの起爆剤になりたいところだ。
そんななか、高卒2年目で気を吐いているのが戸郷翔征(巨人)。6月30日、チームトップタイの2勝目を挙げた。高卒2年目以内で開幕ローテーションからの連勝は「いつかは並びたいと思っている」という桑田真澄以来、球団史上33年ぶり3人目。昨季は同期の吉田輝星(北海道日本ハム)、根尾昂(中日)、藤原恭大(ロッテ)が話題を集めたが、現時点では戸郷が大きくリードしている。「チームの日本一を考えたとき、自分が投球回数を伸ばすことが一番」と言う通り、1年間ローテを守り、どこまで勝ち星を伸ばせるか楽しみな存在になった。
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