連載:SNS時代のメジャーリーガー

現役投手がイチローの恐ろしさを解説 カギは「背骨の角度」と「手」

丹羽政善
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視点を変えれば、攻めのヒントがある

2016年、キャリアの終盤に差し掛かっていたイチローだが、バウアーはその恐ろしさを目の当たりにする 【Getty Images】

 2007年のこと。イチロー(当時マリナーズ)は開幕からやや背中を丸めて構えていた。

 開幕3連戦は10打数4安打と順調な滑り出し。しかし、続くクリーブランド遠征は4試合ともすべて雪で中止。続くボストン遠征では2試合で3打席連続三振を含む8打数ノーヒット、4三振。ホームに戻っての初戦も4打数無安打、3三振だった。

 1試合3三振はそれまでの6年で4回しかなかったが、このときは3試合のスパンで2度も喫したことになる。

「これから整理する」

 そのときそう話したイチローだったが、次の試合から背筋が伸びた。構えを変えた最初の試合では4打数1安打だったが、2試合目は5打数4安打。三振も一気に減った。
 その伸びた背筋――。今回の動画でイチローとの対戦(現地2016年9月3日、イチローはマーリンズ所属)を振り返ったトレバー・バウアー(レッズ)は、その背骨の角度こそが、イチローの打撃を支えているのでは、と分析する。

 視点を変えれば――つまり、投手から見れば、そこに攻めのヒントがあるよう。

 バウアーがYouTubeにアップしている動画を紹介する第1回。バウアーは冒頭でイチローに対するスカウティングリポートを紹介し、その後、投じたすべての球の意図を説明している。

※スポーツナビアプリでは実際の対戦の様子を含めた、日本語訳付きの解説動画を公開
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著者プロフィール

1967年、愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務の後、95年秋に渡米。インディアナ州立大学スポーツマネージメント学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBAなど現地のスポーツを精力的に取材し、コラムや記事の配信を行う。3月24日、日本経済新聞出版社より、「イチロー・フィールド」(野球を超えた人生哲学)を上梓する。

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