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ラ・リーガは何を伝え、何を期待する?
マジョルカなど10クラブのセミナー開催
久保建英が所属するマジョルカなどラ・リーガの10クラブがオンラインセミナーに参加
久保建英が所属するマジョルカなどラ・リーガの10クラブがオンラインセミナーに参加【写真:ムツ・カワモリ/アフロ】

 今季ラ・リーガでは1部・2部を合わせて6人の日本人選手がプレーしている。彼らのおかげで、ラ・リーガはより身近に感じられることだろう。そんな機運も手伝い、ラ・リーガはその魅力をより深く知ってもらおうと、さまざまなアプローチを行っている。その施策のひとつが、インスティトゥト・セルバンテス東京と共催するオンラインセミナー「#TodayWePlay」(6月29日スタート)だ。セミナーはどんな目的で行われ、そこで何が展開されるのか。また、ラ・リーガが進める国際戦略とは? ラ・リーガ国際部門、シンガポールオフィスのディレクターであるイバン・コディーナ氏に聞いた。(取材日:2020年6月26日)

ラ・リーガのクラブ経営を学べる機会

――はじめに、あなたが働いている部署とその役割について教えてください。


 私はラ・リーガの国際開発部門のひとつ、シンガポールオフィスのディレクターです。我々のオフィスでは、日本や韓国、オーストラリアといった東アジア諸国を担当しています。


――今回行うセミナー「#TodayWePlay」の概要を教えてください。


 インスティトゥト・セルバンテス東京と共同で始めたイベントで、日本のファンにラ・リーガのクラブのことをより深く知ってもらうためのセミナーです。それぞれのクラブがどのような歴史を持ち、どのような独自性を打ち出し、どのようにファンと共存しているのか。日本市場との関係も含め、さまざまな視点から各クラブのことをより深く知ってもらう機会となるはずです。


 オンラインセミナーの形を取り、毎回クラブマネジメントにおいて重要な役割を務める人物が1時間の講義を行い、その後に30分間の質疑応答の時間を設けます。初回は6月29日で、7月30日の最終回まで毎週月曜と木曜に計10回のセッションを行います。参加するのは10クラブ。ラ・リーガ・サンタンデール(1部)ではビジャレアル、アラベス、エイバル、マジョルカ、ベティス。ラ・リーガ・スマートバンク(2部)はエルチェ、デポルティーボ・ラ・コルーニャ、ウエスカ、レアル・サラゴサ、カディスです。これらのクラブは同じスペインでも異なる文化、異なる視点を持っています。


――サッカーファンだけでなく、ビジネスマンやクラブ関係者、スペインで働きたいと考えている学生などにとっても興味深い内容になるのでしょうか?


 その通り。このセミナーはとてもフレキシブルな構成となっており、講演者たちはさまざまな市場、今回の場合は日本のマーケットにおける取り組み、マーケティングやスポーツクラブ経営といったテーマも取り上げる予定です。ですので、いわゆるフットボールファンはもちろんのこと、スポーツ業界に関わる人々にとってもスペインのクラブ経営について学べる機会になるはずです。参加者からのあらゆる質問、疑問にお答えする30分間の質疑応答は、このセミナーの醍醐味だと考えています。ただ一方的に情報を伝えるのではなく、参加者にも能動的に関わる機会を設けることで、より実りのある時間を共有できるはずです。

スペインと日本には共通点たくさんある

――今回のセミナーを通じて、どんな効果を期待していますか?


 いい質問ですね。第一に、我々にとってこのセミナーは数年前からインスティトゥト・セルバンテス東京と共に手がけてきたプロジェクトの延長線上にあるものです。我々はスペインの文化に興味を持ち、より深く知り、味わいたいという日本の方々の意欲に応えたいと考えています。


 これはインスティトゥト・セルバンテス東京のディレクターの言葉ですが、ラ・リーガは現在日本で最もよく知られたスペインブランドです。そのことを生かし、我々はさらにラ・リーガを日本の人々に近づけたい。1部リーグ、2部リーグだけでなく、各クラブや選手たち、そしてスペインの人々がどのようにフットボールを“生きているのか”まで。私は日本のマーケットを知るにつれ、スペインと日本には共通点がたくさんあると感じるようになりました。好きなことに熱中する性格もそのひとつ。フットボールはその好例であり、だからこそ我々はラ・リーガとそのクラブを日本のファンに近づけたいのです。


――その意味では、多くの日本人選手がラ・リーガでプレーしている現在は格好の機会と言えますね。


 間違いなく今季は歴史的なシーズンです。今季のラ・リーガでは6人の日本人選手がプレーしていますからね。しかも彼らはただの『珍しいアジア人選手』でも、ピッチ外の経営戦略による補強選手でもない。世界的に見ても優れた選手たちです。久保(建英)選手はあの若さですでに日本を代表する選手となり、マジョルカで素晴らしいレベルのプレーを見せています。いずれはレアル・マドリーをはじめとしたトップレベルのクラブでプレーできるようになるでしょう。


 2人のシンジ、香川(真司)選手と岡崎(慎司)選手は近年の日本で最も人気を博した選手で、いずれも特筆すべきキャリアを築いてきました。乾(貴士)選手は先のワールドカップで最も活躍した日本人選手だと思いますし、柴崎(岳)選手の技術の高さは疑いのないものです。エストレマドゥーラの山口(瑠伊)選手は今季トップチームデビューを果たした将来性のある選手です。


 彼らが我々に市場開拓のチャンスを与えてくれたことは確かです。ただ、日本のマーケットにおいて数年前から取り組んできたベースがなければ、ここまでそのチャンスを生かすことはできなかったでしょう。ラ・リーガの視聴者やSNSのフォロワーが増え、ファンと双方向に関与することができるようになったのは、3年間にわたる努力の賜物です。これは長期的視野に立ったプロジェクトであり、今後もこの成功が続くことを願っています。

――セミナーでは日本人選手の登場といったサプライズも期待できますか?


 正直なところ、難しいでしょう。彼らはリーグ戦の真っ最中、それも過密日程に追われている状況です。それでも日本人選手の所属クラブがファンサービスのひとつとして、セッションに登場させる可能性がないとは言えません。私が保証できるのは各セッションの終了後に抽選を行い、選手のサイン入りユニホームをプレゼントすることです。久保選手や香川選手、乾選手らのサインがもらえる可能性があるのですから、ファンにとっては大きな魅力のひとつになるのではないでしょうか。


――今回の参加クラブには入っていませんが、レアル・マドリーやバルセロナの講義を期待していた参加者もいると思います。


 我々は1部20クラブ、2部22クラブの計42クラブを代表しており、常にすべてのクラブにチャンスを提供すべく取り組んでいます。バルセロナとレアル・マドリーは素晴らしいクラブであり、我々のリーグに所属していることを誇らしく思っています。ただ我々には語るべきクラブとその歴史が他にもたくさんあり、特定の2クラブばかりを宣伝するわけにはいかないのです。バルセロナとレアル・マドリーはこれまで積極的に他のイベントに参加してくれましたが、今回は他のクラブにスポットを当てることになりました。日本人選手の所属クラブという点は考慮しましたが、それ以外は各クラブのスケジュール的な問題も含めて決めています。セミナーで講義する方は多忙なスケジュールを抱えている人がほとんどですからね。

工藤拓
工藤拓

東京生まれの神奈川育ち。桐光学園高‐早稲田大学文学部卒。幼稚園のクラブでボールを蹴りはじめ、大学時代よりフットボールライターを志す。2006年よりバルセロナ在住。現在はサッカーを中心に欧州のスポーツ取材に奔走しつつ、執筆、翻訳活動を続けている。生涯現役を目標にプレーも継続。自身が立ち上げたバルセロナのフットサルチームは活動10周年を迎えた。

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