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ラ・リーガは何を伝え、何を期待する?
マジョルカなど10クラブのセミナー開催

日本は最も重要なマーケットのひとつ

ラ・リーガ国際部門、シンガポールオフィスのディレクターであるイバン・コディーナ氏
ラ・リーガ国際部門、シンガポールオフィスのディレクターであるイバン・コディーナ氏【スポーツナビ】

――ラ・リーガは日本市場をどれくらい重視しているのでしょうか?


 日本は我々にとって極めて重要なマーケットです。1億2,000万人以上の人口を抱え、世界有数の経済大国であるだけでなく、日本は常に『発明大国』として世界中からリスペクトされてきた国です。しかも文化的に我々と共通の要素を持ち、スペインブランドに対して大きな情熱を抱いている人がたくさんいます。ゆえに日本は我々にとって最も重要なマーケットのひとつであり、我々シンガポールオフィスが管轄する地域の中では最重要と位置付けています。長期的視野に立った契約を結び、日本に専任の駐在員を置いているのもそのためです。


 3年前に契約したJリーグとの提携は近々更新する予定ですし、中長期で結んでいる広告契約もあります。我々は常にベストのファンサービスを考えており、日本のファンやフットボール関係者をスペインへ招くだけでなく、ラ・リーガのコンテンツを日本に連れてくる努力もしています。2017年にはセビージャが日本で親善試合を行いましたし、昨夏はバルセロナが来日しました。新型コロナウイルスによるパンデミックの影響がなければ今夏もいずれかのクラブが日本へ遠征していたはずです。今年は難しくなりましたが、来年はぜひとも実現したいですね。これらの提携は我々にとって日本のマーケットがいかに重要かを物語っていると言えるでしょう。


――コロナ禍でプレシーズンのワールドツアーが実現できそうにない今夏、収入源となる代替策はあるのでしょうか?


 残念ながら今夏の国外遠征は難しいでしょう。新型コロナウイルスの感染リスクに加え、オフの期間も限られることになりますから。この状況ではどのクラブも所属選手やスタッフらの健康管理を優先し、なるべく地元から離れずに過ごすはずです。現在ラ・リーガが『バック・トゥ・ウィン』というキャッチフレーズを用いているように、コンペティションを再開し、問題なく翌シーズンをスタートできるだけで勝利と言える状況なのです。特にテレビ放映権収入に依存しているクラブにとっては、それが何よりも重要になります。もちろんプレシーズンの国外遠征は年間予算にプラスアルファをもたらす貴重な収入源ですが、今夏はどのクラブもリスクを避けて確実に新シーズンを迎えることを優先するのではないでしょうか。


――ラ・リーガにとって国際戦略で重要なことは何だと考えていますか?


 スペインと日本は1万キロ以上も離れており、残念なことに頻繁にクラブや選手、アンバサダーを送り込むことができません。そのため我々は機会があるごとにさまざまなイベントを日本で行ってきました。深夜に400〜500人を集めてエル・クラシコのパブリックビューイングを開催したこともありますし、ラ・リーガのアンバサダーを派遣してファンと一緒に試合を観戦するイベントも行いました。すべてはラ・リーガや各クラブ、選手たちを日本のファンに近づけるためです。


 また現在はテクノロジーの発達により、デジタル技術を駆使した取り組みも盛んになっています。我々の部署はラ・リーガにおけるデジタル産業の先駆者と言える存在ですが、すでに多くのクラブが日本のファンにクラブ発の情報を届けるべく、日本語のコンテンツを展開しています。いまやそれなしに日々ファンとクラブの関係を保ち続けるのは非常に難しいと言えます。

初めて視聴数でプレミアリーグを上回る

――プレミアリーグやブンデスリーガの国際戦略で参考にしていることは?


 プレミアリーグは特にブランド戦略において早くから素晴らしい成果を挙げてきました。ブンデスリーガもそうですね。我々はこうした競争相手、というより同業者たちのファンであり、彼らの取り組みに注目することが多々あったことは間違いありません。


 日本においてはJリーグの取り組みも参考にしている部分があります。日本でのファン獲得については当然ながら彼らがエキスパートですからね。ですが、我々はそれ以上に独自のイニシアチブを確立することに力を注いでいます。今年は初めて日本市場におけるコンペティションの視聴者数でプレミアリーグを上回りました。それは我々も良い取り組みを行っていることの証だと思っています。


――国際戦略における評価基準は何ですか? 何がどうなれば成功と言えるのでしょう?


 我々にとって最大のビジネスはテレビ放映権の販売です。ゆえに我々にとっての成功はテレビ放映権をより多くの地域で、より高い額で売ること。そのためにはさまざまなデータを参照する必要があります。ファンとの関係を密にし、ファンの絶対数を増やすことが、ラ・リーガの商品に対する消費の増加につながることは明らかです。そのための指標となるのは、まず対象地域における視聴者数。SNSやメディアの反応も重要で、ニールセンのような専門企業の市場調査も利用しています。国外における広告契約もそうですし、それらすべての数字を上げていくことがラ・リーガにとって最も重要なビジネスであるテレビ放映権の市場価値を高めることにつながっていくわけです。


――最後に、セミナー参加者、また参加を検討している方々へメッセージをお願いします。


 ラ・リーガはフットボールのみならず、スペインに興味を持つあらゆる人が参加されることを期待しています。このセミナーはみなさんにとって素晴らしい経験となるはずです。スペインの文化に触れ、スペイン語の勉強にも役立つでしょうし、何よりラ・リーガとスペインのクラブについてより深く知ることができるはずです。たくさんの方々に参加していただければ、より有意義な時間を楽しめると確信しています。

工藤拓
工藤拓

東京生まれの神奈川育ち。桐光学園高‐早稲田大学文学部卒。幼稚園のクラブでボールを蹴りはじめ、大学時代よりフットボールライターを志す。2006年よりバルセロナ在住。現在はサッカーを中心に欧州のスポーツ取材に奔走しつつ、執筆、翻訳活動を続けている。生涯現役を目標にプレーも継続。自身が立ち上げたバルセロナのフットサルチームは活動10周年を迎えた。

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