再開後、不安より充実感が勝る岡崎慎司 香川と再戦には「応援したい気持ちも…」

工藤拓

6月29日にラ・リーガ2部で、サラゴサvs.ウエスカに先立って、岡崎慎司がインタビューに応じてくれた 【スポーツナビ】

 6月29日にラ・リーガ2部で、サラゴサvs.ウエスカの試合が行われる。この試合に先立ってウエスカに所属する岡崎慎司がインタビューに応じてくれた。オンラインインタビューでは、リーグ再開後のチームと自身の状況や、サラゴサに所属する、長く日本代表で共にプレーした“戦友”香川真司との再戦にかける思いなどを語った。(インタビューは6月26日に収録)。

目標が見えない毎日に比べ、やりがいを感じる

――再開後は怒涛(どとう)の連戦が続いているが、チームと自身の状態は?

 コンディション的には問題なくスタートできたんですが、無観客試合の雰囲気とか、試合中のモチベーションの上がり具合とか、連戦が続くにつれてチームの今までのやり方が維持できなくなってくるとか、そういう中で自分がどうしなきゃいけないのかという役割がなんとなくやっと分かってきて。本来だったら90分出られるところが、スケジュールがタイトになってくるので途中からになったり、早めの交代になったり。そういうことも多少なりとも今までとは違うので。4試合終わってみて、フィットするのが想像していたよりも難しかったなと思いますね。

――再開前には不安もあると言っていたが、実際に再開してみてどうか?

 もちろんコロナにかかる不安とか、「今後どうなっていくんだろう」という不安が完全に消えることはないんですが、やっぱり自粛生活がずっと続いていた中でサッカーが再開したので、目標が見えない毎日に比べたら今の方がやりがいを感じます。そういった点については、今はもう不安よりも充実感の方が勝っている気はしますね。

――ウエスカの一部地域で集団感染が起き、再び外出制限がかかった。生活は大丈夫か?

 実際にそのエリアは僕らの住んでいるエリアからは離れていて、そのエリアだけがフェーズ2に戻っている感じなんで。僕らの地域は全く問題ないというか、そんなに気にすることないと思えるんですが、やっぱりちょっとの気の緩みでああいうふうに爆発するというのは怖い。今はロックダウンが解除されたので、今後いろんなところから人が入ってくる。そういうのは情報を聞くだけでも怖いなと思いましたね。

「チームがどうとかより、まずは自分が……」

再開後の心境として「今はもう不安よりも充実感の方が勝っている」と語った 【写真:ムツ・カワモリ/アフロ】

――再開後は1勝2分1敗。どう評価する?

 スタートダッシュが重要だと思っている中で、初戦に勝つことができ、いい雰囲気でいけていた分、その後の試合の流れが良くなかったなというのは感じています。今シーズンは終了間際に相手に点を取られる、取りこぼしがすごく多いシーズン。前節もそれが顕著に、首位相手に出てしまったなと。チームとしてもちょっと崖っぷちに立たされている雰囲気はあるんですけど、逆に言ったらここで首位に立っているチームはプレッシャーがあると思うので。僕らは失うものがない立場で残り7試合を戦えるという意味では、そこまで僕はマイナスではないのかなという風に思っています。本当に次のサラゴサ戦は自動昇格(争い)にとどまれるか、大事な試合になってくると思いますね。

――前節カディス戦では途中出場ですごくいい入りをして、再開後の初ゴールを決めた。新たなプレー環境の中での役割をつかめてきた?

 自分がゴールを決める形とかは、中断前に作り上げられたんですが、信頼を得られて「ようやく流れがきたな」という時の中断だったんで。僕の頭にはそういういいイメージの中で再開した部分もあったんですが、そういうものをいったん置いておかなければいけないなというのはこの4試合で感じましたね。半年近くみんなとプレーして、どれだけいい関係を築けたとしても、今までのようなサッカーを続けることは難しいですね。

 スケジュールもタイトだし、久々で試合感覚もチームのサッカーも、どうしても今までのクオリティーよりは上がりきらないところもあるので。そういった時に、「自分のイメージが固まり過ぎていたな」というのはこの3、4試合はあったんで。逆に言ったら、チームがどうとかよりは、自分がまずパフォーマンスを上げるということに今はフォーカスして、柔軟にチームの状況に応じて、自分のやるべきことを変えていくのが今やるべきことなのかなとこの4試合で実感できた。なおかつ前節は点を取れたことがすごく大きかった。ここでずるずる点を取れずにいると自分の状況も変わっていたので。

 今はそうやって1つずつ改善して、自分のパフォーマンスを上げる、それでチームを助けるということを考えていますね。前は試合に出ること、そしてチームが強いんで、その中で自分がゴールする形を求めてやっていたんですが、今はチームがうまくいかない時に助けられるようなプレーもある程度やっていかないと、昇格に向けてはなかなか難しくなってきているのかなと思うので。今はそこに完全にフォーカスしている感じですね。

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著者プロフィール

東京生まれの神奈川育ち。桐光学園高‐早稲田大学文学部卒。幼稚園のクラブでボールを蹴りはじめ、大学時代よりフットボールライターを志す。2006年よりバルセロナ在住。現在はサッカーを中心に欧州のスポーツ取材に奔走しつつ、執筆、翻訳活動を続けている。生涯現役を目標にプレーも継続。自身が立ち上げたバルセロナのフットサルチームは活動10周年を迎えた。

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