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鈴木啓太が“ボランチ”として共感!? お気に入りの映画と本を5作紹介

飯尾篤史

鈴木啓太がお気に入りの映画と本を5作品紹介してくれた 【スポーツナビ】

 自宅でゆっくり過ごすには、読書や映画鑑賞がオススメ。そこで、アスリートに人生を変えた一冊・一本、推薦したい作品を聞いた。これまでどんな本、映画と出会い、考え方や生き方の参考にしてきたのか。アスリートに影響を与えた名作に触れて、おうち時間を充実させよう。

 鈴木啓太が紹介する映画は、『アンドリューNDR114』『TIME/タイム』『インターステラー』『ニュー・シネマ・パラダイス』。本は『松明(たいまつ)は自分の手で/藤沢武夫著』をあげ、その理由について教えてくれた。

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“時間”が重要なテーマとなっている4本

 Stay Homeということで、今回は僕のお気に入りの映画と本を紹介したいと思います。

 まず映画は、『アンドリューNDR114』『TIME/タイム』『インターステラー』『ニュー・シネマ・パラダイス』の4本。これらの作品に共通するのは、“時間”が重要なテーマになっているところ。

『アンドリューNDR114』は、人間になりたいと願うアンドロイドの話。アンドリューはあるとき、人間というものに興味を持ち、生き物の素晴らしさに気づくんですね。それは何かというと、限りある時間だと。人間は永遠に生きたいとか、ないものねだりをするけれど、アンドリューは機械だからこそ、そこに気づくわけです。この映画から、人間らしく、人生を全うすることの大切さを学びました。

『アンドリューNDR114』がドラマチックなのに対して、『TIME/タイム』はとてもドラスティック。自分の寿命が通貨の役割を持つようになった近未来の話で、主人公が貧富による寿命の格差をなくそうと戦うんです。経済を時間で表すのは面白い発想だし、時間こそが一番の価値だということを訴えかけてきます。

『インターステラー』は父と娘が地球を救うアドベンチャーなんですけど、宇宙の神秘、相対性理論や特異点といった科学の話、地球の環境問題とか、死後の世界みたいなものも含まれている壮大なSF映画です。4次元の世界とか、時空を超えたりとか、気になりません? ちょっと複雑で、時間も長いんですけど、この機会にぜひ、見てもらいたいです。

 最後の『ニュー・シネマ・パラダイス』は何年かおきに必ず見るようにしています。初めて見たのは中学生くらいの頃でしたが、20歳くらいのときにある人に「年齢が変わると見方が変わるよ」って言われたんです。実際、たしかに見方が変わった。

 子どもの頃から映画が大好きだった青年が故郷を離れ、ローマで映画監督として大成功するんですけど、若い頃は、夢がかなってよかったじゃん、と思っていた。でも、自分も年齢を重ねてくると、故郷を捨てて30年間一度も帰郷しなかった主人公の覚悟とかも想像できて、静岡から浦和に出てきた自分と重ね合わせたり。

 もちろん、家族愛とか、師弟愛とか、ヒューマンな部分、ノスタルジックな部分から人間らしさ、みたいなものも感じられて、すごく好きな映画です。

人生において大事なヒントが詰まっている

 本は、藤沢武夫さんの『松明(たいまつ)は自分の手で』です。これは、本田宗一郎さんと二人三脚でホンダを世界的な大企業に育てた藤沢さんの回顧録のような内容です。この本を読むと、いかにふたりが固い信頼関係で結ばれ、ホンダを築き上げたかが分かります。

 それに、辞め際も鮮やかで、後身に道を譲るためにスパッと引退を決意すると、本田さんも阿吽(あうん)の呼吸で引退されるんですね。なんて素晴らしい決断力、なんてステキな関係性なんだって。この本には人生において大事なヒントが詰まっています。

 ホンダと言えば本田さんが有名ですが、副社長として本田さんを支えた藤沢さんにひかれるのは、ボランチとしてチームを陰で支えることを好む僕らしいのかもしれません(笑)。

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著者プロフィール

東京都生まれ。明治大学を卒業後、編集プロダクションを経て、日本スポーツ企画出版社に入社し、「週刊サッカーダイジェスト」編集部に配属。2012年からフリーランスに転身し、国内外のサッカーシーンを取材する。著書に『黄金の1年 一流Jリーガー19人が明かす分岐点』(ソル・メディア)、『残心 Jリーガー中村憲剛の挑戦と挫折の1700日』(講談社)、構成として岡崎慎司『未到 奇跡の一年』(KKベストセラーズ)などがある。

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