連載:怯まず前へ 常に結果を出し続けるチームと強い心の作り方

東洋大に受け継がれる「鉄紺の絆」 企業で大切にされる人材に

酒井俊幸
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第9回

学生3大駅伝で実際に使用した鉄紺のたすき(左が箱根駅伝、右は全日本大学駅伝で使われたもの) 【写真:松本健太郎】

 近年では、「卒業後に実業団で競技を続けたいから東洋大を選んだ」、「東洋大の攻めの走りが好きだ」など、明確なビジョンを掲げて入ってくる選手が増えました。多くのOBが実業団で頑張っているおかげだと思いますし、うれしい限りです。
 就職先を決める際には、関東に残るのか、地方出身の選手なら地元に帰るのか。第一にその選択から始まります。

 地方出身者の場合は、たいていが地元の実業団を希望しますし、実業団側も地元出身の選手に声を掛けることが多くなります。競技を引退したあと、そのまま社業に専念しようと思えば、どうしても地元に戻る傾向にあります。

 大学卒業後は走るだけでなく、しっかり学ぶこと、学ぼうとする意欲を持つことが求められます。

 競技をやっている間に、同期入社の社員はどんどん仕事を覚えていきますし、先に出世していきます。競技を引退した後、年下の社員に仕事を教えてもらうことになるかもしれないし、一から仕事を覚えなくてはならないかもしれない。そういう覚悟を持ったうえで、競技に取り組んでいかなくてはなりません。

 私としては、どの実業団チームに進んでも長く競技を続けてほしいと願っています。
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著者プロフィール

1976年福島県生まれ。学校法人石川高等学校卒業後、東洋大学に入学。大学時代には、1年時から箱根駅伝に3回出場。大学卒業後、コニカ(現・コニカミノルタ)に入社。全日本実業団駅伝3連覇のメンバーとして貢献。選手引退後は、母校である学校法人石川高等学校で教鞭をとりながら、同校の陸上部顧問を務めた。2009年より東洋大学陸上競技部長距離部門の監督(現職)に就任。就任1年目でチームを優勝に導くという快挙を達成、箱根駅伝では、優勝3回、準優勝5回、3位2回という成績を達成。

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