連載:令和のスターになるのは誰だ?〜巨人編〜

巨人・戸郷が目指すは「山口俊さん」 欲を出して、結果をもぎ取っていく

小西亮
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チームの優勝決定試合でプロ初登板初先発を果たした戸郷翔征。大舞台を経験した若き右腕は今年どんな飛躍を見せてくれるか 【写真:近藤俊哉】

 次世代の巨人を担う気概が、10代らしくない落ち着いた物言いに表れる。高卒2年目を迎えた戸郷翔征が、ブレークのときを待つ。ルーキーイヤーの昨年は、リーグ優勝が決まる大一番でプロ初登板初先発。日本シリーズのマウンドも経験し、その片りんを見せた。

 2019年シーズンの最多勝で、MLB・ブルージェイズに移籍する山口俊から、貪欲に技術や経験を吸収。新たに背番号13を与えられ、ローテ入りが期待される。今年20歳を迎える育ち盛りは、生命線の剛球でプロの世界をのし上がっていく。

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阿部慎之助の言葉に救われたプロ初登板

初登板初先発のマウンドは5回途中2失点で降板。今季限りで引退した阿部慎之助の言葉で一気に楽になったという 【写真は共同】

――リーグ優勝のかかった昨年9月21日の横浜DeNA戦で、プロ初登板初先発。多くの人に名前を知ってもらうきっかけにもなりました。

 あの試合でアピールできたというのが一番だと思います。あんまり緊張していなかった分、マウンドでしっかり投げられたのかなと。自分的には勝ちがついてほしかった試合でしたが、今思えばもっともっと頑張れたかなと思う部分もあります。

――初めての一軍マウンドで印象的だったことは?

(3回に2点先制され、4回先頭の)ソトさんにデッドボールを当ててしまい、自分的にはちょっとそこから落ちていくのかなと思ったんですが、阿部(慎之助)さんから「ナイスボール」と言われて。その一言でガラリと変わったというか、一気に楽になりました。阿部さんからかけられる言葉の影響力を感じました。坂本(勇人)さんからも同じ言葉をかけていただき、うれしかったですね。

――日本シリーズのマウンドも経験しました。第3戦でリリーフして2/3イニングで4失点と悔しい思いもしました。

 チームは2連敗していて少し重い雰囲気もあるように感じていたんですが、観客の方々はすごく盛り上がってくれていて。(チームと球場の雰囲気に)差があるというか、変な空気に押されてしまったのはあります。勝手に焦ってしまったのが悪かったかなと。もっとリラックスして投げられたら、結果は違ったのかなと思います。一番悔いが残った試合だったので、これからへのいい課題になったと思います。

――1年を振り返ってみてどうでしたか?

 早かった1年でした。三軍から一軍まで経験して、楽しいときもありましたけど、一軍で自分の投球をしても打たれるという苦しいときもありました。ただ、すべてが経験。少しでも結果を残せたことは良かったです。強気の投球っていうのをモットーにやっているので、それがしっかりと出せたのは収穫だったかなと。メンタル面も含め、色々学べました。
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