「プランB」と「逆算」で大会を制した侍J 決勝の韓国戦・勝負を分けたポイント
これ以上ない嫌な立ち上がりも……
写真に収まる侍ジャパン投手陣。大会を通して安定した投球を披露した 【写真は共同】
今大会の過去2試合で状態の良くなかった先発・山口俊(巨人)が1回表、思うように制球できずに先頭打者のイ・ジョンフを四球で歩かせると、続くキム・ハソンにツーランを浴びる。2死後、5番のキム・ヒョンスにライトスタンドへ運ばれた。
プレイボールの直後に3失点──。これ以上なく嫌な展開で始まったが、そこから盛り返すことができたのは、「プランB」と「逆算」があったからだ。
「1本目のホームランが出た時点で、これは(登板が)あるなと思いました」
5日前のアメリカ戦で先発した高橋礼(福岡ソフトバンク)は2番手としていつでも行けるようにブルペンで待機するなか、即座に準備を整えた。初回に2本目の本塁打を打たれると、首脳陣は次のイニングからの登板を告げる。
「先発ピッチャーを早々に代えられたのは、後ろがしっかり決まっているからというのがありました」
2回からの継投という決断について、建山義紀投手コーチはそう振り返っている。
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2番手の高橋が流れを引き寄せる
2回からマウンドに登った高橋。2回を無失点に抑え、流れを引き寄せた 【写真は共同】
3回表は高橋にとって、流れを引き寄せる意味でも大事なイニングとなった。
ソフトバンクで今季23登板がすべて先発だったこのサブマリンは、昨季は主に中継ぎで投げた経験がある。先発と二番手で投げる違いについて聞かれると、こう話した。
「(二番手としては)ビハインドで出ていく場面が多いので、そこでどうやって相手の打線を止められるかに気を使います。ストライク先行でどんどん来られるとバッターは差し込まれることもありますし、準備ができていない可能性もあるので、ストライク先行でどんどん投げられるといいと思います」
この日は思うようにストライクを取れなかったものの、捕手の會澤翼(広島)はストレート主体で組み立て、「要求通りに投げられたと思う」と高橋は振り返った。
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