“成長痛”を乗り越えるために。問われるのは“エクスキューション”

【©ジャパンラグビーリーグワン】

三菱重工相模原ダイナボアーズ(以下、相模原DB)にとって“痛い敗戦”になった。

リーグ戦折り返し直後の一戦。ここから巻き返しを図りたい両チームにとって、喉から手が出るほど勝利が欲しかった。そんな思いが交錯する一戦でボーナスポイントも加える快勝を手にしたのはリコーブラックラムズ東京(以下、BR東京)。試合後のロッカールームからは歓喜の雄叫びが響いた。

その様相とは対象的に、会見場では相模原DBの岩村昂太キャプテンが「コミュニケーションの部分(での課題)が大きかった」と敗因を語り、肩を落とした。

相模原DBは、いいテンポでボールをつなぐ一瞬のきらめきを見せていたが、それにときおりズレが生じる。前半36分には、トライゾーンまであとわずかに迫ったところでパスが乱れ、中楠一期に80mカウンタートライを決められてしまう。

相模原DBはセットピースが安定せずに苦戦。ブレイクダウンでも過去の対戦と比べて後手に回るシーンが多く見られた。

司令塔のジェームス・グレイソンは「いろいろな場面で一歩早く反応したり、セービングしたりと勝負に勝つという気持ちは相手のほうがちょっと強かった」とBR東京を称え、苦戦の理由をこう振り返る。

「自分たちのアタックが機能するためには、ブレイクダウンで精度高くボールを出して、“ビッグボールキャリアー”にいいタイミングでボールを渡すことがカギとなります。そこですぐにボールを出せないと苦しくなってしまいます。それでも明確なコールがあったときにはいいプレーができたと思いますので、そこは大きな学びです」

相模原DBは今季初の3連敗と、最も苦しい時期を迎えている。

「やりたいことをやれば結果が付いてくることは分かっているのですが、トヨタヴェルブリッツ戦後の3戦はできていないので、残り8試合はエクスキューション(遂行力)に重きを置いてやっていきたい」と岩村。

チームがレベルアップするためには“成長痛”を乗り越えることが必要になるのだろう。この悔しさをバネにして2週間後、チーム一丸となって再びファイティングポーズを構えなければならない。“ダイナインパクト”の真価が問われるのはこれからだ。

(宮本隆介)
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