GKノイアーが内田篤人、日本人選手を語る Jリーグ入りの可能性は?

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インタビューに気さくに応じてくれたマヌエル・ノイアー。バイエルン、日本について聞いた 【(C)ブンデスリーガ・インターナショナル】

 ブンデスリーガ・メディアツアーでバイエルンの守護神マヌエル・ノイアーに話を聞くことができた。インタビューはホッフェンハイムに敗れた直後だっただけに、機嫌が悪いかもしれないと心配していたが、それはすぐさま杞憂に終わった。シャルケ時代のチームメートである内田篤人、ブンデスリーガでプレーする日本人選手、そして将来Jリーグでプレーする可能性について……。ノーカットでお届けする。(取材日:10月6日)

7連覇を最初から経験しているのは僕と…

――きょうの試合を振り返って。また、今シーズンはメンバーも代わり、新しい試みにもトライしていますが、その手応えは?

 自分としては、もちろん勝ってこの場に臨みたいと願っていたよ。しかし、敗北というのは試合につきもの。また、敗因は自分たちにあると思っていて、僕たちのプレーが対戦相手を強くしてしまった。ロンドンでの勝利(チャンピオンズリーグ=CL・トッテナム戦で7−2の大勝)があったので、後半に盛り返せると考えていたんだ。残念ながら、きょうはそうならなかったわけだけど。簡単なミスからゴールを奪われ、前半の終盤には絶好のチャンスを生かすことができなかった。

 新加入選手については、彼らの加入によってチームの補強はしっかりできたんじゃないかな。より柔軟性に富んだチームになったと思うし、先発メンバーについてはこれからだけど、まだシーズン序盤だ。今シーズン、僕たちが最終的にどんな結果を残すことができるのかはまだ誰にも分からないけど、僕たちには大きな目標があり、それに向けてのやる気は十分、貪欲に戦うよ。

――バイエルンは常に追われる立場のチームです。王座を守る難しさとは?

 まず、サッカーというスポーツのあり方によるところだと思うけど、プロ選手である以上は、常に勝利を得たいと思っているし、野心的であり続ける。勝利を得るためなら、すべてを捧げる。きょうも感じたと思うけど、ドイツチャンピオンになることは簡単ではない。きょうのような日も当然ある。昨シーズンも最終的にはブンデスリーガで優勝できたけど、かなり苦労した。いま僕たちは7連覇というリーグ記録を保持している。チームとしては、この記録をさらに伸ばすことを目標にしている。僕個人としても、さらなる優勝を貪欲に目指しているよ。

 僕はその7連覇の最初の優勝からすべてを経験している選手のひとり。僕以外には(トーマス・)ミュラー、(ダビド・)アラバ、そして(ジェローム・)ボアテングも7連覇を一緒に成し遂げてきた。もちろん、それは素晴らしいことで、このブンデスリーガ優勝記録の更新は僕たちの一番の目標だ。

――ドイツ代表のヨアヒム・レーブ監督は次の国際親善試合で、マルク=アンドレ・テア・シュテーゲンを起用すると明言しました。このポジション争いについてはどう見ていますか? 何か対策は?(ドイツ人記者)

 いいや、何も。そう明言されているけど、自分のプレーのために集中して励むだけさ。(監督は)責任ある選択をしたんだと思う。いいと思うよ。

――先日のCLではふたりとも良いプレーを見せましたが。

 ああ、良いプレーをするだけだ。(起用について)考えることではないよ。

友人「ウチダサン」との思い出

バイエルンではキャプテンとしてチームをまとめ上げる。リーグ8連覇へ導けるか 【Getty Images】

――日本人選手ではシャルケ時代に内田篤人選手と親交があったと思います。その内田選手はいまでもノイアー選手のことを懐かしそうに話すのですが、いまでも彼のことを気にかけていますか?

 もちろん。僕たちは彼のことを「ウチダサン」と呼んでいたんだ。彼は友人さ。彼がドイツに来たばかりの頃、全然ドイツ語が話せなくてね。僕たちは一緒にドイツ語を学んだよ。アウェーの遠征の飛行機の中でもね。

 僕にとっては、それまで日本人選手と一緒にプレーしたことがなかったから、すごく楽しい思い出だ。彼と仲良くなり、チームにも溶け込んでいった。もちろん、彼はとても優しい人で、素晴らしい能力を持っていた。日本でも人気がある日本代表選手だったね。負傷してしまったのは残念だったよ。おそらく膝のけがが彼のキャリアをより大きく広げることを妨げたのだろう。もちろん、いまでも当時のことを思い出したりするよ。

――現在も日本人選手がドイツたくさんプレーしています。対戦相手として、印象に残っている選手はいますか?

 まず、ブンデスリーガにはたくさんの日本人選手が所属してきた。日本人選手と対戦するのは、いつも難しいことだ。彼らと対戦し、守備をするのは本当に難しい。彼らは俊敏で、スピードがあるし、両足でシュートを打てる選手もいる。彼らは「スペシャルなシュートを持っている」と、GKとしては認めなければならない。

 僕はこれまでにたくさんの日本人選手と対戦したけど、彼らとの対戦はいつも喜びがあったんだ。なぜなら、彼らがいかに野心的で、いかにモチベーションが高いかが見て取れたから。いま第一線で活躍する日本人選手を擁しているチームは幸せだろうね。

 欧州各国でプレーする日本人選手も知っているよ。例えば、ムトウ(武藤嘉紀/ニューカッスル)はすごく良い選手だ。あとはオカザキ(岡崎慎司/ウエスカ)がプレミアリーグに行ってしまったのは残念に思ったね。彼もブンデスリーガで良いプレーをしている選手だったから。その後も、たくさんの日本人選手がブンデスリーガに来て、ニュルンベルク、シュトゥットガルト、ホッフェンハイムなどでプレーしたね。

――日本では内田選手、ルーカス・ポドルスキ選手がプレーしていますが、将来的にJリーグでプレーする可能はありますか?

 いまのところ、そういう考えはないけど、もちろんポルディ(ポドルスキ)や(アンドレス・)イニエスタが神戸で何をやっているんだろう、という情報は追っている。単純にとても興味深いからね。あとは、これまでに一緒にプレーしてきた選手も気になる。例えば(バスティアン・)シュバインシュタイガー(シカゴ・ファイアー)のアメリカでの活躍にも注目しているよ。
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