“世界2位”撃破を狙うラグビー日本代表 アイルランド戦で鍵になるキック対策
世界ランク2位のアイルランドと対戦
日本代表は、この4年間で2度、ニュージーランド代表を破ったアイルランド代表のどこに警戒し、どう戦えばいいのか――。データ(STATS、共同通信デジタル提供)から見ていきたい。
スコットランド戦で光った「緑の壁」
スタッツを見ると、アタックではスコットランド代表の数値が軒並み高く、アイルランド代表の方が低かった。
テリトリーはアイルランド代表が42%、走った距離が478m(相手は617m)、パスは相手の183回に対して99回と半数ほどだった。それでもスコットランド代表がトライを挙げることができなかったのは、「緑の壁」とも言えるアイルランド代表の堅いディフェンスが光ったからだ。後半29分にはシンビン(10分間の一時的退場)があったものの、トライを許さない堅守ぶりを見せた。
アイルランド代表のタックル回数は169で、タックル成功率は94%、そしてラインブレイクされた回数は2回で、スコットランド代表からすれば“ボールを持たされた”格好になった。
前半24分のトライもそうだったが、スコットランド代表の攻撃をコントロールする司令塔SOフィン・ラッセルにプレッシャーをかけたことが功を奏した。
SHマレーのキック、パスが攻撃の鍵
またアイルランド代表のゴール前での決定力も光った。SHマレーからのワンパスで、FW陣がしっかりゲインし、PRタイグ・ファーロング、LOジェームズ・ライアンもトライを挙げている。FWの近場でミスも少なく、なかなかターンオーバーすることは難しいのが現状だ。もちろんアイルランド代表のFW陣はスクラム、ラインアウトといったセットプレーも強力で、スコットランド戦はともにマイボール成功率は100%(ともに9/9)だった。