“ユルネバ”に込められたそれぞれの想い FC東京の凱歌となった今季を特別なものに
FC東京のファン・サポーターが試合前に“ユルネバ”を大合唱する様子は、味の素スタジアムの風物詩となっている 【新井賢一】
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サン・シーロに掲げられた“ユルネバ”の弾幕
それは今から20年以上も前、FC東京の前身である東京ガスサッカー部時代のことだから、当時の関係者にもすべてを正確に記憶している者はいない。
だが、ひとつのきっかけが、ある出来事だったことは間違いない。
1989年4月15日にイングランドで起きたヒルズボロの悲劇――。
シェフィールドのヒルズボロ・スタジアムで行われたFAカップ準決勝、リバプール対ノッティンガム・フォレスト戦において発生した群衆事故である。
入場ゲートの混雑を緩和するために、出口専用ゲートが開放されたが、警備員が新たに流入する観客を適切に誘導せず、多くの人が近くの立ち見席に殺到。その結果、スタンド内がすし詰めとなり、96人もの死者を出したのだった。
その4日後の4月19日、ミラノのスタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ(通称サン・シーロ)で行われたチャンピオンズカップ準決勝のミラン対レアル・マドリー戦で、犠牲者のために黙とうが捧げられた。そして、ミランサポーターがリバプールのサポーターソングである「ユール・ネバー・ウォーク・アローン(You'll Never Walk Alone)」を大合唱し、スタンドが拍手に包まれたのだ。
東京サポーターの中心的な存在である植田朝日は、そうしたミランサポーターの振る舞いを、イングランドで知った。
「当時、俺はロンドンに留学していて、テレビのニュースで知ったんだよ。サン・シーロのスタンドには『You'll Never Walk Alone』と書かれた大きな弾幕も掲げられていてね」
それから6年後の95年6月、アンブロカップに出場する“加茂ジャパン”を応援するために渡英した植田は、ヒルズボロまで足を運び、世界中のサポーターがマフラーを捧げている慰霊碑に「ウルトラス・ニッポン」のマフラーを手向けた。
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