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MGCのレース展開はどうなる?
仕掛けるタイミング、4強の反応に注目
13日、会見に臨む大迫傑(手前右)、服部勇馬(後方)、村澤明伸(手前左)。30人のうち東京五輪の切符をつかむのはどのランナーか?
13日、会見に臨む大迫傑(手前右)、服部勇馬(後方)、村澤明伸(手前左)。30人のうち東京五輪の切符をつかむのはどのランナーか?【写真:松尾/アフロスポーツ】

 9月15日に行われるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)。予報では天候は晴のち雨で気温は22度以上。最高は30度の可能性もある。正確な気象条件は当日になってみなければ分からない、それ以上に分からないのはレース展開がどうなるかだ。


 男子は8時50分、女子は9時10分スタートで、終盤には30度近くまで気温が上がるのは必至という中で、ペースメーカーもいないレース。それをどう組み立てていけばいいかというのは、誰にとっても暗中模索という状況だろう。

特殊な状況下、ゆえに誰も分からない

 30名が出場する男子の中でペースメーカーがいない夏のマラソンを経験しているのは、ロンドン五輪の他に、世界選手権に3回出場している中本健太郎(安川電機)と、2017年世界選手権と昨年のアジア大会に出場した井上大仁(MHPS)の2名だけ。その中でも井上は日本記録保持者の大迫傑(Nike)や安定した力を見せている設楽悠太(HONDA)、福岡国際マラソンで強い勝ち方をした服部勇馬(トヨタ自動車)とともに4強とみられている選手。夏のレースの経験もあるだけに、序盤は彼を中心に展開していくことになるだろう。

酷暑のジャカルタ・アジア大会を制した井上。ラストスパートで競り勝った勝負強さも持ち合わせる
酷暑のジャカルタ・アジア大会を制した井上。ラストスパートで競り勝った勝負強さも持ち合わせる【写真:西村尚己/アフロスポーツ】

 これまでのレースぶりや性格を見ると、設楽の場合は淡々とマイペースで行く可能性もある。それでうまく抜け出せれば集団の中で互いの動きを気にしなければいけないというストレスからも解放されるが、難しいのはそのペース設定だ。当日の気象条件の中でしっかりゴールまでたどり着けるのはどのくらいのペースまでギリギリ大丈夫なのかというのは、誰も分かっていないと言えるからだ。


 通常なら30キロ過ぎてから仕掛けが始まり、37キロ付近から始まるジワジワと上がる上り坂で集団はさらに絞られ、40キロ付近の上り坂とそこからの緩い下り坂で勝負が決まることになるだろう。


 ただ、これまでの力を見れば大迫、設楽、井上、服部が少し抜け出していると言えるが、上位2名は即時に五輪代表が内定し、3位の選手もMGCファイナルチャレンジ設定記録が2時間05分49秒という高いハードルであることを考えれば、ほぼ決定すると言える状況。その中では「あわよくば2位以内、ダメでもなんとか3位に」と勝負を仕掛けてくる選手も出てくるはずだ。ましてや終盤の暑さが各選手たちにどういう影響を与えるか分からないだけに、一か八かの勝負はありうる。

折山淑美

1953年1月26日長野県生まれ。神奈川大学工学部卒業後、『週刊プレイボーイ』『月刊プレイボーイ』『Number』『Sportiva』ほかで活躍中の「アマチュアスポーツ」専門ライター。著書『誰よりも遠くへ―原田雅彦と男達の熱き闘い―』(集英社)『高橋尚子 金メダルへの絆』(構成/日本文芸社)『船木和喜をK点まで運んだ3つの風』(学習研究社)『眠らないウサギ―井上康生の柔道一直線!』(創美社)『末続慎吾×高野進--栄光への助走 日本人でも世界と戦える! 』(集英社)『泳げ!北島ッ 金メダルまでの軌跡』(太田出版)ほか多数。

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