MGCのレース展開はどうなる? 仕掛けるタイミング、4強の反応に注目
仕掛けの可能性を持ったベテラン勢
16回目のマラソンに挑む今井。経験を武器に4強を脅かす走りを見せられるか 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】
また中本も12年ロンドン五輪と13年世界選手権では6位、5位という実績を持っているだけに、遅いマラソンになればどこかで浮上してくる可能性は持っている。さらに今井と同じようにラスト5キロの上りに自信を持っている選手たちも、集団で行ってしまえば最後は実力者にねじ伏せられるだろうとなれば、後半の暑さと最後の上り坂を味方にできる可能性にかけてくるはずだ。
そんな状況になった時に、有力とみられる4人はどういう対応をするかも見どころだ。誰かが出た時に追いたいと思うか、必ず落ちてくるだろうと判断するか。4人が4人とも相手を警戒しなければいけないだけに、動ききれない可能性もある。そんなときにいい指針となるのが、自分のペースで淡々と走る設楽になるかもしれない。彼ならゴールまで走り切ると信じれば、他の3人は設楽について行って勝負所を待てばいい形になる。
その中では暑熱対策をアジア大会で経験している井上が最初に仕掛けそうな感じもするが、順当に4人の上位争いになれば、最大の勝負所は最初の急な上り坂を上がり切った四谷4丁目の交差点から1キロ強の下り基調になる、外苑西通りになりそうだ。そうなれば無駄な動きはしなさそうな大迫が強さを発揮してきそうだ。
女子は超スローペース必至
10人で争われる女子のレース。終盤勝負となれば、トラックの経験が豊富な松田瑞生(左端)、鈴木亜由子(右端)が有利だろう 【写真:松尾/アフロスポーツ】
そんな中でも早めに動いて優位な位置を確保したいのは、前田穂南(天満屋)と安藤友香(ワコール)、小原怜(天満屋)あたりか。彼女たちがジワジワ上り始める37キロ付近から仕掛けて後続を突き放せばそのまま逃げ切る可能性も生まれる。女子の場合はファイナルチャレンジ設定記録が2時間22分22秒と男子より可能性があるだけに、2位以内に入らなければいけないという思いは強い。そんな思いでどんな仕掛けができるかが見どころだ。
ベテラン・福士加代子(ワコール)の動きも不気味だが、松田と鈴木は他の選手の仕掛けをどうしのいで40キロ過ぎからの下り勝負に持っていけるかだろう。