日本の救世主・ファジーカスは言った
「みんなの分を、僕が少しずつ負担する」

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 FIBAワールドカップ(W杯)、アジア地区予選。4連敗で崖っぷちの日本代表を救ったのは、2018年4月に日本国籍を取得したニック・ファジーカスだった。2018年6月29日のオーストラリア戦で代表デビューすると、早速チーム最多の25点得点を記録。この試合、格上オーストラリア相手に大番狂わせを演じた日本代表は、そこから怒涛の8連勝。実に21年ぶりとなる自力でのW杯出場を果たした。


 スポーツナビは代表合宿の合間を縫って、救世主ニック・ファジーカスとの単独インタビューを実施。前編では日本国籍を取得した経緯や、代表デビューしたW杯予選について語ってもらった。

カワサキ、ダイスキ

18年4月に日本国籍を取得したファジーカス。「第2子にも日本語のミドルネームをあげる予定」と明かしてくれた
18年4月に日本国籍を取得したファジーカス。「第2子にも日本語のミドルネームをあげる予定」と明かしてくれた【赤坂直人/スポーツナビ】

――「長く日本でプレーを続けたいから日本国籍を取得した」と言っていましたが、日本の気にいっているところはどこですか?


 日本での暮らしが好きだね。治安がいいし、みんなフレンドリーで僕と家族を歓迎してくれている。そういった面は来日した当初から気づいていたけれど、帰化の決め手になったのは、バスケットボールだよ。今は日本のパスポートを持った日本人選手だから、外国籍としてプレーするより長いキャリアを築けるだろう。その方が家族のためにもいいと思ったんだ。


――インスタグラムを見たのですが、長男のハドソン君のミドルネームがカイトと言うそうですね。これは和名ですか?


 そうなんだ。「ウミ、ワタル(※ファジーカス選手が日本語で説明してくれた)」という漢字を使うんだよ。米国ではミドルネームはとても大切なものなんだ。名前に「海を渡る」という意味を持たせられるのは素敵だと思ってね。息子は日本生まれで日本国籍だから、米国の名前と日本の名前を並べたというわけだ。実は10月には娘が生まれる予定なんだけれど……。


――それはおめでとうございます。


 ありがとう。彼女も日本で生まれる予定だ。彼女のファーストネームはエミーといって、E、M、M、Yという綴りなのだけれど、カタカナ読みなら「エミ」でも通る。彼女にも日本語のミドルネームをあげる予定だよ。まだ決まっていないけれどね。

川崎市内のショッピングセンターは、近くに引っ越すほどお気に入り
川崎市内のショッピングセンターは、近くに引っ越すほどお気に入り【赤坂直人/スポーツナビ】

――井上雄彦先生とのインタビューを見たのですが、冒頭から日本語で川崎市内のショッピングモールを「ダイスキ」と言っていて笑ってしまいました。


 僕たち家族はかなりの時間をあそこで過ごしてるんだよ。去年わざわざあそこの近くに引っ越したぐらい大好きなんだ(笑)。ファーストフードはあるし、妻はジムに通っているし、赤ちゃん用のお店もあるから息子は長時間そこで過ごしている。駅が近くて映画館もあって、すごく便利なところだ。だから本当に「ダイスキ」さ(笑)。


――日本食も食べますか?


 もちろん。


――先日私もあのショッピングモールに行ったのですが、友達に薦められたとんかつ屋さんが美味しかったです。


 私はまだあのお店には行ってないけれど、あそこにはたくさん日本食の店があるんだ。あとはアメリカンやイタリアンもいくつかあるね。全部は行けてないけれど、妻とほとんどのレストランを制覇したよ。

「みんなが僕を信じてくれた」

崖っぷちで迎えたW杯予選オーストラリア戦。ファジーカスは大車輪の活躍で金星をもたらした
崖っぷちで迎えたW杯予選オーストラリア戦。ファジーカスは大車輪の活躍で金星をもたらした【Getty Images】

――日本国籍取得前からW杯予選は観ていましたか?


 もちろんだ。日本国籍の申請中から観ていた。申請が通れば、おそらく日本代表に呼んでもらえるだろうということは分かっていたからね。だから接戦を落とすのを見て、歯がゆい思いをしていたよ。「僕がいればいろいろな面でチームに貢献できるのに」ってね。多分落とした接戦のうち、いくつかは僕がいれば勝てていたと思う。でも途中から予選に参加して、W杯出場を成し遂げることができた。今日この場にいることを誇りに思うよ。


――あなたが参加するまでの日本代表は4連敗でしたが、雰囲気はどうでした? やはりそういう時は雰囲気も良くないものですか?

ダブドリ編集長 大柴壮平
ダブドリ編集長 大柴壮平

異例の超ロングインタビューで選手や関係者の本音に迫るバスケ本シリーズ『ダブドリ』。「バスケで『より道』しませんか?」のキャッチコピー通り、プロからストリート、選手からコレクターまでバスケに関わる全ての人がインタビュー対象。TOKYO DIMEオーナーで現役Bリーガーの岡田優介氏による人生相談『ちょっと聞いてよ岡田先生』など、コラムも多数収載。

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