速球は最も飛ぶボール? 球種別で見られる打球特性とは
連載「それってホント? 野球の定説を検証」では、「あのときの僕」が信じていた野球の定説をデータやスポーツ科学を使って検証。観る人・プレーする人・支える人すべてに、野球の真実・野球の新たな面白さをお届けします。
第8回は「球種別の効果」について。
速球一本での勝負は見るものをアツくするが、「速球」とはどのような性質をもったボールなのだろうか 【写真は共同】
先日行われたプロ野球のオールスターゲームで、速球一本で勝負する投手たちにこのような表現がされる場面が多く見られた。一流選手たちが力いっぱい勝負する姿に魅了された人も少なくないかもしれない。
今回は、投手の球種に着目し、メジャーリーグのトラッキングデータを使って「速球」がどのような性質をもったボールであるのかを考えていきたい。
速球はどの程度投げられているのか
【Baseball Geeks】
イベント割合で見る各球種の傾向
投球に対し打者がスイングを行うことで、空振り・ファウル・ゴロ・ライナー・内野フライ・外野フライのいずれかが発生する。これを「イベント」と定義する。
【Baseball Geeks】
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一方で、速球の空振り割合はスプリットの約半数であった。速球は、空振りやゴロが少なく外野フライとライナーが多いという球種であった。このデータから、速球は失点のリスクが高い球種であるように感じる。