速球は最も飛ぶボール? 球種別で見られる打球特性とは
球種別の打球特性から見えること
【Baseball Geeks】
投球割合も多く、ピッチングの中心と言われる速球は、実は最も打たれやすい球種なのである。
速球は最もリスクが高いが…
上原浩治は「速球」を有効に使い、メジャーで戦い抜いた 【写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ】
そんなことはない。確かに速球は、単一的な変数だけ見ると、打たれやすい球種なのかもしれない。しかし、多くの投手がピッチングの中心として使っているように、この速球があるからこそ他のボールが生きるのであろう。スプリットのイメージが強い上原浩治(元巨人ほか)も、実は特異な球質なのはむしろ速球であった。
※リンク先は外部サイトの場合があります
また、近年では「フライボール革命」が起こり、打球を持ち上げるような打撃が流行している。アッパースイングの打者が増加すると、スライダーやスプリットといった落ちる変化球は以前のように空振りを奪えなくなるかもしれない。速球は高めにいくほど空振りが増える事も判明しており、今後は「高めの速球」がトレンドとなっていく可能性がある。
このように打者の方策が変わるにつれて、球種のトレンドも変化していく。データの普及により、有効なボールは常に変わっていくのだ。
(文:森本崚太/Baseball Geeks)