アーモンドアイ“5馬身ロス”の発馬不利 福永磨いた新名刀インディチャンプ会心V

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2番人気ダノンプレミアムまさかの最下位

4歳の新星インディチャンプ(左)が安田記念勝利 【写真:中原義史】

 春のマイル王決定戦・第69回GI安田記念が2日、東京競馬場1600メートル芝で行われ、福永祐一騎乗の4番人気インディチャンプ(牡4=栗東・音無厩舎、父ステイゴールド)が優勝。4番手のイン追走から最後の直線は馬場のど真ん中を鋭く抜け出し、GI初挑戦でビッグタイトルを手中にした。良馬場の勝ちタイム1分30秒9は、2012年ストロングリターンがマークした1分31秒3を0秒4上回るレースレコード。

 インディチャンプは今回の勝利でJRA通算10戦6勝。重賞は今年2月のGIII東京新聞杯に続く2勝目。騎乗した福永は12年ストロングリターン以来となる安田記念2勝目、同馬を管理する音無秀孝調教師は同レース初勝利となった。

GI初挑戦で一気のマイル頂点へ 【写真:中原義史】

 一方、断然の1番人気に支持されていたクリストフ・ルメール騎乗のアーモンドアイ(牝4=美浦・国枝厩舎)はスタート後の不利が響き、クビ差の2着に逃げ粘った戸崎圭太騎乗の3番人気アエロリット(牝5=美浦・菊沢厩舎)からハナ差遅れの3着敗戦。川田将雅騎乗の2番人気ダノンプレミアム(牡4=栗東・中内田厩舎)も同じくスタート直後の不利でリズムを崩したか、直線伸びず最下位の16着に敗れた。

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「しょうがない。これが競馬です」

アーモンドアイは大外から32秒4の鬼脚で迫るも…… 【写真:中原義史】

 2019年春の東京GIレース5連続開催のトリを飾る安田記念は、前週のダービーに続いての大波乱となった。いや、人気的には4番人気馬が勝ち、3連単も400倍台であるから数字だけ見れば「大波乱」とは言えない。それでも、あのアーモンドアイが負けた、という事実がすでに“事件”であるし、加えて人気を二分していたダノンプレミアムも揃って敗れたのだから、もうこれは大波乱と言っていいのではないか。

 発端はスタート直後のアクシデントにあった。横一線の発馬と思った次の瞬間、大外16番枠のロジクライが内側に大きく斜行。「スタートの一歩目はしっかり出たんですが、そのすぐ後に馬が物見をして接触してしまいました。迷惑をかけてしまった馬には申し訳ないです」と騎乗していた武豊。このアオリをモロに受けてしまったのが、隣の15番枠ダノンプレミアムをはじめ、14番枠アーモンドアイ、13番枠ペルシアンナイト、12番枠ロードクエストであり、内・外から挟まれる形となって後退。この4頭にとっては痛すぎる不利だった。ルメールが振り返る。

「いい競馬はできたと思いますが、残念ながらスタートでアクシデントがありました。5馬身くらいのロスだったと思います」

 もちろん、このロジクライの斜行がわざとではなく、不慮のアクシデントであることは分かっている。それだけに「GIでスタートはすごく大事。でも、これはしょうがない。これが競馬です」とルメール。むしろ、そんな状況の中で極限とも言える上がり3F32秒4の鬼脚を繰り出し、勝ち馬とタイム差なし(クビ+ハナ差)の3着まで追い上げた相棒の力を称えた。

「運がなかったけど、道中は冷静に走ってくれました。直線もよく伸びたし、よく頑張ってくれました」

 アーモンドアイは今後、国枝調教師によると宝塚記念は回避し天皇賞・秋を目指すことになりそう。ジョッキー以上にショックの色をにじませていたトレーナーは「負けるとしたら、これがありうるかなと思っていたパターン。外枠不利なのにもっと不利になってしまった」とポツリ。ただ、レース後の状態については「大丈夫そう」とのことだけに、また秋、リフレッシュしたアーモンドアイがターフに帰ってくることを待ちたい。

ダノンプレミアムはまさかの最下位に終わった 【写真:中原義史】

 なお、最下位に敗れ、ゴール後には川田が下馬して心配されたダノンプレミアムだが、JRA発表によれば、東京競馬場の診療所での検査結果に関しては異常なしとのこと。

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