堀江翔太、W杯に「全部、懸けたい」 日本ラグビーの頼れる男が復帰
「チーム力を上げるのは個人能力やと思います」
FWでありながらBKのような高いスキルを持つ堀江翔太 【築田純】
堀江の思いの根底にはやはり、チーム力を上げるためには、まず個人の能力や経験値が土台になるという思いがある。「4年前と比べて個人個人としてはレベルが上がっていると思います。FB山中(亮平)は去年とレベルが違って、調子いいですし。一人ひとりの能力はサンウルブズの経験で伸びていっている。チーム力を上げるのは個人能力やと思います」
ただサンウルブズ除外の決定に関しては、こう寂しそうに述べた。「僕が言ってもどうなるものじゃない。僕とフミさん(田中史朗)はスーパーラグビーに挑戦するのはすごく大変だった。その経験ができなくなるのは、若い子たち、ユースの選手にとってはマイナスの部分だと思う。その分、どこかで補えるような動きがあればいい。それがなければ若い子たちは海外に行っていろいろな経験をしてほしいけど、学生時代は経験できない部分、状況もあると思うので、日本ラグビー協会が作ってくれればいいと思います」
劣勢の試合でも積極的にプレー
スクラム、ラインアウトを安定させるために堀江の役割は大きい 【斉藤健仁】
「すり合わせが少なかった」というスクラムでも、前半の劣勢からどうにか後半、修正していた。「僕は(日本代表のスクラムコーチである長谷川)慎さんの考えでやってきているので、なるべく合わせようとしたが、最後の方は、とりあえず自分の持っているものを出さないといけないと、ロックやいろいろな選手に指示を出してスクラムを組んでいました」(堀江)
初戦は大敗してしまったが、堀江はサンウルブズのオーストラリア遠征メンバーにも当然、選出された。「どれだけコミュニケーションを取って動けるかが大事」と言うように、経験豊富な選手としてリーダー的な存在としてチームを引っ張っていくはずだ。
W杯日本代表入りへ「ハングリーに愚直に」
3度目のワールドカップに向け「日本代表としての集大成にしたい」と意気込んでいる 【斉藤健仁】
3度目のワールドカップを控え、堀江は「日本代表としての集大成にしたい」「全部、懸けたい」と語気を強める。どことなく力が抜けた自然体が魅力の堀江だが、ファンの期待、チームの思い、自身の思い、そして家族の思いも全部背負って開幕戦のピッチに立つはずだ。