改善、信頼で強豪に迫ったサンウルブズ 「チームを誇りに思えるパフォーマンス」
前回対戦は52点差も…今季は1点差に迫る健闘
後半29分にトライを奪ったサンウルブズWTBファンデンヒーファー(中央) 【築田純】
2月23日、東京・秩父宮ラグビー場で、日本を本拠地とするサンウルブズはスーパーラグビー開幕2試合目となる試合でワラタスと激突。終始、自ら仕掛ける試合運びを見せて、FLマイケル・フーパー、SOバーナード・フォーリー、CTBカートリー・ビール、FBイズラエル・フォラウら豪州代表の中軸を含めたチームに30対31と肉薄。勝ち点1を獲得した。
開幕戦は南アフリカのシャークスに6トライを奪われて10対45で大敗。ワラタスには過去3戦全敗で、昨年7月は25対77で敗れていた。
この1年、サンウルブズや日本代表などで試合出場時間の多かったFLリーチ マイケルやWTB福岡堅樹ら日本代表候補選手の多くはワールドカップを見据えて東京・町田で合宿中だ。サンウルブズには今年からチーム新しく加わった選手が多く、開幕戦後に練習する時間は4日間しかなかった。
そんな中、どうして昨年ベスト4のチームと接戦を演じることができたのか。それはシャークス戦で課題に挙がった外側のディフェンスとスクラムをきっちり修正できていたことに尽きる。
「外の選手が内側を信じることが大事」
前に出ることと、面をそろえることを両立。ディフェンスは意思疎通されていた 【斉藤健仁】
ディフェンスコーチを兼ねるスコット・ハンセンHC(ヘッドコーチ)代行は「相手のモメンタム(勢い)を止めること、エリアをどう取るのかのコントロールが必要」と言いつつ、「ディフェンスでは外の選手が内側を信じることが大事。今週は内の選手を信じて外が(ポジションを)キープすることをやってきた。改善する自信はある」と力強く語っていた。
サンウルブズは日本代表よろしく、極端に前に出て、プレッシャーをかけつつ相手に外に展開させない組織ディフェンスを採用。ただワラタスのアタックラインが深いことを分析した上で、この試合では前に出ながらもしっかり面を保ち、途中からドリフト(流れる)ディフェンスにシフトし、内側だけでなく外側もしっかりと守る意識が高かった。
中村のインターセプトからトライを奪う
攻守ともに大活躍だったCTB中村亮土 【斉藤健仁】
序盤のピンチもWTBセミシ・マシレワが好タックルを見せてトライを防いだ。すると前半7分、守備の男・中村が相手の裏へのパスを見切ってインターセプト。そのままゴール前まで走り、落ち着いてWTBゲラード・ファンデンヒーファーにつないで先制トライを演出した。