北村友「唐突過ぎて」46戦目のGI初戴冠 2度目覚醒アルアイン1600〜2400も視野
デビュー14年目にして待望のJRA・GI初勝利
アルアインは今回の勝利で通算16戦5勝(うち海外1戦0勝)、重賞は17年GI皐月賞、同GIII毎日杯に続き3勝目。騎乗した北村友はデビュー14年目にして待望のJRA・GI初勝利、同馬を管理する池江泰寿調教師はGI昇格以前も含めて09年ドリームジャーニー、13年オルフェーヴルに続き大阪杯3勝目(GI昇格後では初勝利)となった。
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「レースのことで頭がいっぱいで」
「うれしいですね。騎手を14年やってきて正直、ケガもありましたし本当に色々なことがあって、長かったなと思います。でも、ここでGIを勝たせていただいたので、ここまで一生懸命頑張って来れて良かったなと思います」
2006年3月デビューから今年で騎手生活14年目。2年目から45勝を挙げ、以来コンスタントに毎年50勝前後をマークし、重賞も16勝。関西では武豊、福永祐一、川田、また最近ではミルコ・デムーロ、クリストフ・ルメールの影に隠れてしまいがちだが、昨年はキャリアハイの90勝を積み上げ全国リーディング6位に躍進した。“乗れる関西の若手”から真のトップジョッキーへ、今年33歳と中堅を迎える年齢からしても、そろそろビッグタイトルがほしい。そうした期待の中で訪れた、GI挑戦46戦目での歓喜の瞬間。しかし、ゴール直後のガッツポーズはなく、1コーナーから引き返してくる馬上の北村友もGI初勝利を飾ったジョッキーとは思えなくらい冷静に見えた。
レースでは感情をあまり表に出さないタイプなのかな、とカメラのファインダー越しから想像していたのだけど、実際の北村友の心情としては「自分自身、GI勝利があまりに唐突過ぎて、うまく行き過ぎて勝てたので、瞬時に感情がこみ上げてくるというよりはレースのことで頭がいっぱいいっぱいでした」という。それだけに、池江調教師が「泣かないの?」とツッコミを入れても、残念ながら涙は出なかったそうだ。