北村友「唐突過ぎて」46戦目のGI初戴冠 2度目覚醒アルアイン1600〜2400も視野

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デビュー14年目にして待望のJRA・GI初勝利

アルアインが大阪杯V、鞍上の北村友一はこれがうれしいJRA・GI初勝利となった 【スポーツナビ】

 第63回GI大阪杯が31日、阪神競馬場2000メートル芝で行われ、北村友一騎乗の9番人気アルアイン(牡5=栗東・池江厩舎、父ディープインパクト)が優勝。好位のイン4番手追走から最後の直線、馬群を力強く抜け出し、2017年皐月賞以来となるGI2勝目を手にした。良馬場の勝ちタイムは2分1秒0。

 アルアインは今回の勝利で通算16戦5勝(うち海外1戦0勝)、重賞は17年GI皐月賞、同GIII毎日杯に続き3勝目。騎乗した北村友はデビュー14年目にして待望のJRA・GI初勝利、同馬を管理する池江泰寿調教師はGI昇格以前も含めて09年ドリームジャーニー、13年オルフェーヴルに続き大阪杯3勝目(GI昇格後では初勝利)となった。

アルアインは17年皐月賞以来およそ2年ぶりのビッグタイトル、北村友は46度目の騎乗でGI初勝利 【スポーツナビ】

 なお、クビ差の2着には川田将雅騎乗の2番人気キセキ(牡5=栗東・角居厩舎)、さらにクビ差の3着には福永祐一騎乗の4番人気ワグネリアン(牡4=栗東・友道厩舎)が入線。1番人気に支持されていた池添謙一騎乗のブラストワンピース(牡4=美浦・大竹厩舎)は6着に敗れた。

「レースのことで頭がいっぱいで」

ウイニングランで歓声に応える北村友、阪神競馬場は祝福ムードでいっぱいだった 【スポーツナビ】

 出走馬14頭中、半数以上の8頭がGIホース。しかも、アーモンドアイ、レイデオロら“大将格”がドバイ遠征で不在とあれば激戦は必至。そんな前評判どおり、1着から5着までが0秒2差にひしめき合う文字通りの激闘を制したのは、17年の皐月賞馬アルアインだった。レースでの勝利自体、その一昨年の皐月賞以来およそ2年ぶり。クラシックホースの劇的な復活Vだけでも感動的だというのに、それに輪をかけて阪神競馬場が祝福ムードで包まれたのは、鞍上の北村友一がついにJRA・GI初制覇を飾ったからに他ならない。

「うれしいですね。騎手を14年やってきて正直、ケガもありましたし本当に色々なことがあって、長かったなと思います。でも、ここでGIを勝たせていただいたので、ここまで一生懸命頑張って来れて良かったなと思います」

 2006年3月デビューから今年で騎手生活14年目。2年目から45勝を挙げ、以来コンスタントに毎年50勝前後をマークし、重賞も16勝。関西では武豊、福永祐一、川田、また最近ではミルコ・デムーロ、クリストフ・ルメールの影に隠れてしまいがちだが、昨年はキャリアハイの90勝を積み上げ全国リーディング6位に躍進した。“乗れる関西の若手”から真のトップジョッキーへ、今年33歳と中堅を迎える年齢からしても、そろそろビッグタイトルがほしい。そうした期待の中で訪れた、GI挑戦46戦目での歓喜の瞬間。しかし、ゴール直後のガッツポーズはなく、1コーナーから引き返してくる馬上の北村友もGI初勝利を飾ったジョッキーとは思えなくらい冷静に見えた。

 レースでは感情をあまり表に出さないタイプなのかな、とカメラのファインダー越しから想像していたのだけど、実際の北村友の心情としては「自分自身、GI勝利があまりに唐突過ぎて、うまく行き過ぎて勝てたので、瞬時に感情がこみ上げてくるというよりはレースのことで頭がいっぱいいっぱいでした」という。それだけに、池江調教師が「泣かないの?」とツッコミを入れても、残念ながら涙は出なかったそうだ。

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