サートゥルナーリア春二冠見えた楽勝 ミルコ大絶賛の大器「2400mも大丈夫」
来春クラシックへ名乗り
サートゥルナーリアが無敗でGIホープフルステークスを勝利 【スポーツナビ】
サートゥルナーリアは今回の勝利でJRA通算3戦3勝、重賞は初勝利。騎乗したミルコ・デムーロ、同馬を管理する中竹和也調教師ともにホープフルSは初勝利となった。
2018年最後のGIを勝ったミルコ・デムーロは「最高の気分です」と笑顔 【スポーツナビ】
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ノーステッキでアッサリ突き放した
狭い馬群を割ると、ノーステッキで楽々と抜け出した 【スポーツナビ】
「初めての中山で、初めての2000メートル。最後に坂もあるしトリッキーなコースだからちょっと心配していましたけど、全然問題なかったですね。楽勝でした」
着差は1馬身半。それでもミルコが“楽勝”と話したように、他馬との能力の開きは明らかにそれ以上と感じられたし、他陣営には大変申し訳ないのだが、馬のレベルが2つ、3つも違う――そう思わずにはいられない、サートゥルナーリアの独り舞台だった。
レースは「スタートから手応え抜群」と、サートゥルナーリアが好発からハナに行く勢い。と言って引っ掛かっているわけではなく、1コーナーから2コーナーに差し掛かるあたりでコスモカレンドゥラを前に行かせると、そのままスッと控えて向こう正面では3、4番手のインを追走。「馬の気持ちを一番大事にして乗った」とミルコが振り返った通り、ここまで何の無理もない、ごく自然な滑らかさでレースを進めていた。
ちょっとしたピンチだったのが、直線入り口の攻防。内ラチぴったりに控えていた分、外から後続が殺到した際に包まれてしまい、行き場をなくしてしまった。余裕に運ばせすぎたか? と思って見ていたのだが、サートゥルナーリアはどこ吹く風。「狭いところを馬が一人で突っ込んでいった(笑)」と、ミルコも驚く闘争心でアドマイヤジャスタとブレイキングドーンの間を割ると、あとはノーステッキで他馬をアッサリと引き離してしまったのだ。
ストロングポイントは「能力」
GI馬の兄に勝るとも劣らない能力に、ミルコも絶賛の嵐 【スポーツナビ】
「思っていた通りのレースができました。強いから何でもできる馬です」
数年来とも言われる寒波到来の影響で、ここ中山競馬場も顔がつるのではないかと思うくらいの寒風だったが、ミルコの頬は紅潮して緩みっぱなしだった。そして、名手にとってもそれほどの馬だという証しだろう。ストロングポイントは?と尋ねられたミルコは、即座にこう答えた。
「能力です。能力が高いですね。そして賢い」
普通ならば、スピードが……とか、瞬発力が……とか具体的に挙げるものだけど、『能力』のひと言でまとめるあたり、何か1つではなく、何をとってもハイレベルということだ。また、かつて北島三郎さんは「キタサンブラックの顔の良さに惹かれた」と語っていたが、その通り、美しい馬は強い(もしくは、強い馬は美しい)。ミルコもサートゥルナーリアの強さばかりでなく、その美しさも絶賛している。
「僕はエピファネイアには乗ったことはないけど、体と顔はそっくりだと思います。リオンディーズもすごく綺麗な男前で、エイシンフラッシュもそうだけど、すごく大好きな馬。サートゥルナーリアはリオンディーズとはちょっと違うけど、素晴らしく綺麗な馬ですね」
エピファネイア(13年菊花賞、14年ジャパンカップ)、リオンディーズ(15年朝日杯FS)はともにサートゥルナーリアの兄で、いずれもGIを勝利した名馬だ。また母シーザリオもご存知、日本と米国でオークスを勝った希代の名牝。そんな『新・華麗なる一族』の血を、サートゥルナーリアはフィジカル、ビジュアルともに色濃く受け継いだというわけだ。