ダノンファンタジー桜花賞候補へ1番乗り 兄に続いたデムーロ弟「日本めちゃ好き」

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重賞2連勝で2歳女王の座に

2歳女王決定戦・GI阪神JFはクリスチャン・デムーロ騎乗の1番人気ダノンファンタジーが快勝! 【スポーツナビ】

 第70回GI阪神ジュベナイルフィリーズが9日、阪神競馬場1600メートル芝で開催され、クリスチャン・デムーロ騎乗の1番人気ダノンファンタジー(牝2=栗東・中内田厩舎、父ディープインパクト)が優勝。後方3番手から馬場の外を豪快に伸び、2歳女王の座を手にした。良馬場の勝ちタイムは1分34秒1。

 ダノンファンタジーは今回の勝利でJRA通算4戦3勝、重賞は前走のGIIIファンタジーステークスに続き2勝目。騎乗したC・デムーロ、同馬を管理する中内田充正調教師ともに同レース初勝利なった。

ダノンファンタジーは重賞連勝でGIビッグタイトルを手にした 【スポーツナビ】

 なお、半馬身差の2着には北村友一騎乗の2番人気クロノジェネシス(牝2=栗東・斉藤厩舎)、さらにクビ差の3着には福永祐一騎乗の4番人気ビーチサンバ(牝2=栗東・友道厩舎)が入った。

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代打騎乗できっちり“プロの仕事”

「僕の名前を呼んでもらえることが嬉しい」とクリスチャンはレース後、何度もファンの声援に応えて右手を挙げた 【スポーツナビ】

 今度は弟の出番、とばかりにクリスチャン・デムーロが若き女王候補をGI馬へと導いた。兄ミルコがルヴァンスレーヴでGIチャンピオンズカップを勝った前週に続き、今週は弟クリスチャンが勝利ジョッキーのお立ち台。これも兄の影響からだろうか、ウイナーズサークルに集まった大勢のファンに向けて、

「ジャパン、めっちゃ大好き!」

と、随分と上達した日本語で感謝の気持ちを送った。

「毎年日本でGIを勝つことを目標にしているから、去年に続いて勝つことができたのはもちろん嬉しいんだけど、ファンのみんなに僕の名前を呼んでもらえることが本当に嬉しいんです」

 人懐っこい笑顔でそう振り返ったクリスチャンだったが、レースではまさに“プロの仕事”を完遂してみせた。デビューから3戦続けて手綱を握った主戦・川田将雅が香港遠征のため、いわば今回は代打騎乗。気性面で少しうるさいところのある馬だけに、テン乗りがどうかと不安視する向きもあったかもしれないが、今や世界トップジョッキーの仲間入りを果たした26歳の名手に抜かりはない。1週前追い切りにまたがり、馬の性格、癖を把握するなど“予習”をしっかり果たした上でレースに臨んだ。

「調教のときからエキサイトする面を見せていたので、道中はリラックスさせながら最後にいい脚を使っていこうと、調教師とは話していたんです」

勝敗を分けた半馬身は道中スムーズさの違いか

道中後方3番手からリズム良く進出し、最後の直線は外から豪快に差し切った 【スポーツナビ】

 レース前に描いた作戦通り、好スタートを切りながら激しい先行争いを横目にスッとポジションを下げると、後方3番手で折り合いに専念。「速いペースに巻き込まれずにいい位置取りだった」と中内田調教師がこのレース運びを納得顔で振り返れば、当のクリスチャンも「いい流れだったし、落ち着いてレースができた」と、苦労することなくダノンファンタジーを手の内にすっぽりと収めていた。もちろん、これは厩舎と川田が教え込んだ成果であり、ダノンファンタジー自身の学習能力の高さの賜物だろうが、それにしても、まるでもう何度もレースを戦ってきたコンビのようなスムーズさだった。2着クロノジェネシスはダノンファンタジーを上回る上がり最速の3F33秒9の鬼脚で追い詰めたが、勝敗を分けた半馬身差は、ゲートでの不運があったにしろ、この道中のスムーズさの違いにあったのではないかと思う。

 クリスチャンが改めて4コーナーから直線の攻防を振り返った。

「外から他の馬が来た中で、ダノンファンタジーはすごく反応が良かったし、しっかりといい脚を使ってくれました。正直、外から来られたときにはドキッとしましたけど、彼女は素晴らしいハートの持ち主ですね。最後まで期待に応えてくれました」

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