和田「オペラオーが押してくれた」 長かった17年…天国の相棒へ捧げるGI美酒

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JRA史上最長、17年1カ月25日ぶりのGI勝利

ミッキーロケットが宝塚記念V! 騎乗した和田は17年ぶりのGI勝利となった 【写真は共同】

 上半期のJRA競馬を締めくくるグランプリレース、第59回GI宝塚記念が24日、阪神競馬場2200メートル芝で行われ、和田竜二騎乗の7番人気ミッキーロケット(牡5=栗東・音無厩舎、父キングカメハメハ)が優勝。インの好位から力強く抜け出し、初のGIタイトルを手にした。やや重馬場の勝ちタイムは2分11秒6。

 ミッキーロケットは今回の勝利でJRA通算22戦5勝、重賞は2017年GII日経新春杯に続く2勝目。騎乗した和田は2000年テイエムオペラオー以来の宝塚記念2勝目、またJRA・GIレース勝利は17年1カ月25日ぶりとなり、これはJRA・GI史上最長間隔記録となった。同馬を管理する音無秀孝調教師は同レース初勝利。

 なお、クビ差の2着にはヒュー・ボウマン騎乗で10番人気だった香港馬ワーザー(セン7=J・ムーア厩舎)、さらに3馬身差の3着には高倉稜騎乗の12番人気ノーブルマーズ(牡5=栗東・宮本厩舎)が入線。1番人気に支持されていたクリストフ・ルメール騎乗のサトノダイヤモンド(牡5=栗東・池江厩舎)は6着に敗れ、復活はならなかった。

「意固地にならなきゃ良かったなと」

 あの馬とのコンビから17年。ついに、そして、やっとつかんだGIタイトル。この長い月日を1日、1日噛み締めるような表情で、目を赤く腫らした和田が言葉を搾り出した。

「長かったですね。GIを勝つって、こんな感じだったんだなぁと。やっぱりGIを勝つのはすごくいいものだと思いましたね。ずっと忘れていたような、こんなふうだったなぁと、ホッとしています」

 2000年天皇賞・春から翌01年同レースまでのGI・6連勝を含む、JRA・GI通算勝利数史上最多タイ7勝のチャンピオンホース、テイエムオペラオー。当時23歳の和田とのコンビは、まさに向かうところ敵なしだった。その最強の相棒がターフを去ってから17年、和田自身はいわゆる“一発屋”などではなく、毎年コンスタントに勝ち鞍を積み上げて“乗れるジョッキー”としての信頼と地位を着々と固めていた。ただ、オペラオー時代のような大舞台での派手な活躍からは遠ざかっていた。

かつて和田はテイエムオペラオーとともに最強コンビで最多タイのGI・7勝を挙げた(写真は2000年有馬記念) 【写真は共同】

「オペラオーのときは馬の力が抜けていましたからね。だから、僕としては自分の本当の実力でGIを勝ちたいという思いがありました。ただ、ここまで時間がかかったのは自分の技術が足りなかったからだと思いますし、去年はいい馬にたくさん乗せてもらって自信もあったんですが、焦りもあったんだと思います」

 2017年は自己最多となる年間97勝をマークし、GIIも3勝。GIレースでもオークス、エリザベス女王杯での2着をはじめ、何度となく穴馬で上位に突っ込んでいたが、ビッグタイトルにはあともう一歩が足りなかった。

「応援してくれる人もたくさんいましたし、騎乗数も変わらずにたくさんの馬に乗せていただきました。でも、その中で結果を出せなかったのは自分の力のなさだと思いますし、支えてくれた人たちに結果で報告したいと思っていたんです」

 師匠の岩元市三・元調教師、新しく増えた家族、ファン……そして何より報告したかった相手こそが、テイエムオペラオーだった。

「自分自身、頑なな考えになっていたと言うか、引退後のオペラオーにはGIを勝ってから会いに行くぞと思っていたんです」

 しかし、その思いはかなわなかった。今年5月17日、オペラオーが急逝。

「この間、牧場に行かせてもらって、墓前ではなかったのですが、肩の荷が下りた感じがしたんです。“そんなにこだわらなくていいんだよ”と言ってもらえたような気がして、晴れ晴れしい気持ちで帰って来られたんです。意固地にならなきゃ良かったなと。もちろん、こうしてGIを勝ってみると、やっぱり勝ってから会いに行きたかったなという複雑な思いはありますが……。でも、これで胸を張って報告に行けますね」

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