全仏準優勝の二宮真琴が広島凱旋 「ダブルスを極める」と決めた2018年

内田暁
 女子テニスの国際大会「花キューピットジャパンウイメンズオープンテニス(以下、JWO)」の本戦が9月10日から16日、広島県・広島広域公園テニスコートで行われる。

 大会に臨む日本女子プレーヤー紹介連載の第2回は、今年6月の全仏女子ダブルスで準優勝を果たした二宮真琴(橋本総業)。
 二宮は今年5月までシングルスとダブルスの両方で、WTA(女子テニス協会)ツアーを戦っていた。しかし6月以降はダブルスに専念。グランドスラムの大舞台で経験した快進撃と、残った悔しさが、彼女にシングルスを捨て、ダブルスを極める事を決意させた。

小学生時代に誓った「プロになる」決意

6月の全仏オープン女子ダブルスで準優勝した二宮真琴。地元・広島で行われるジャパンウィメンズオープンでの活躍にも期待だ 【写真:アフロ】

 彼女にとって“決断”は常に、夢を追うことと同義だった――。

「今回のプレーと結果で、ダブルスを極めたいと思いました」

 それは今年6月の全仏オープンダブルスで、決勝を戦い終えた時の彼女の言葉。穂積絵莉(橋本総業)と組み、日本人ペアとして初めてグランドスラム準優勝に輝いた24歳の二宮真琴は、報道陣を前にはっきりと宣言した。ここで言う「極める」とは、ダブルスへの専念を意味する。

 決意の先に追う夢は、2年後の東京五輪のメダルだ。

 二宮が、テニスそのものを「極める」ことを決めたのは、小学校6年生の頃だった。それまでは水泳や、インストラクターの父とともにスキーにも打ち込んだが、テニスを自ら選び取ったその時に、「世界で戦うプロテニス選手になる」ことも心に誓った。

「夢はプロで、私はそれになるんだという感じで」

 当時11〜12才の少女が、進む道に迷いを抱くこともなかったという。今でも二宮に近い人々は、彼女の性格を「良い意味で頑固」と言い表すが、そのような固い意志は、10年以上前から変わらぬ彼女の“核心”だ。

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著者プロフィール

テニス雑誌『スマッシュ』などのメディアに執筆するフリーライター。2006年頃からグランドスラム等の主要大会の取材を始め、08年デルレイビーチ国際選手権での錦織圭ツアー初優勝にも立ち合う。近著に、錦織圭の幼少期からの足跡を綴ったノンフィクション『錦織圭 リターンゲーム』(学研プラス)や、アスリートの肉体及び精神の動きを神経科学(脳科学)の知見から解説する『勝てる脳、負ける脳 一流アスリートの脳内で起きていること』(集英社)がある。京都在住。

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