ロナウド退団で沸き起こる大スター待望論 新生レアル・マドリーの状況は不透明!?

スペインフットボール界全体で沸き起こる「待望論」

ロペテギの公式戦デビューとなったUEFAスーパーカップは2−4と敗戦 【写真:ロイター/アフロ】

 幸いにもインテル行きを志願したといわれるルカ・モドリッチの移籍騒動は解決したようだが、ロペテギが取り組むべき課題は他にもある。

 UEFAスーパーカップで露呈した低調なパフォーマンスと精神的なもろさの原因を究明することもその1つだ。2000年のトヨタカップでボカ・ジュニアーズに敗れて以降、国際大会のファイナルでは負け知らずだったレアル・マドリーにとって、あのような負け方をすることは極めて稀(まれ)だからだ。

 ロペテギの公式戦デビューとなったUEFAスーパーカップにて、レアル・マドリーは近年のCL決勝で2度破っているアトレティコに4失点、それも延長戦で2ゴールを奪われている。

 CL王者レアル・マドリーが喫したショッキングな敗戦は、ロナウドの喪失がもたらすスペインフットボール界の危機感をあおり、新たなビッグスターの待望論を後押しすることになりそうだ。

 それがエデン・アザールになるのか、ネイマールになるのかは分からない。確かなのはペレス会長がこれほど不透明な状況を前に、腕組みをして静観していられる男ではないことだ。

(翻訳:工藤拓)

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著者プロフィール

アルゼンチン出身。1982年より記者として活動を始め、89年にブエノス・アイレス大学社会科学学部を卒業。99年には、バルセロナ大学でスポーツ社会学の博士号を取得した。著作に“El Negocio Del Futbol(フットボールビジネス)”、“Maradona - Rebelde Con Causa(マラドーナ、理由ある反抗)”、“El Deporte de Informar(情報伝達としてのスポーツ)”がある。ワールドカップは86年のメキシコ大会を皮切りに、以後すべての大会を取材。現在は、フリーのジャーナリストとして『スポーツナビ』のほか、独誌『キッカー』、アルゼンチン紙『ジョルナーダ』、デンマークのサッカー専門誌『ティップスブラーデット』、スウェーデン紙『アフトンブラーデット』、マドリーDPA(ドイツ通信社)、日本の『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿

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