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イタリアで巻き起こるC・ロナウド狂騒曲
ユベントスはピッチ内外でどう変わる?

異様な注目が集まったある日の紅白戦

この夏、9年間在籍したR・マドリーを離れてユベントスに移籍したC・ロナウド
この夏、9年間在籍したR・マドリーを離れてユベントスに移籍したC・ロナウド【写真:ロイター/アフロ】

 トリノから40キロほど離れた渓谷にある人口約4100人の小さな街、ビッラール・ペローザ。イタリアの自動車メーカー・フィアットの創業者ジョバンニ・アニェッリの出生地で、今もアニェッリ家の別荘があるユベントスゆかりの地だ。彼らはここでシーズン前に紅白戦を行うことを伝統行事としている。


 それが今年は、異様な注目を浴びた。原因は言うまでもなく、クリスティアーノ・ロナウドの移籍だ。クラブの米国遠征には帯同せず、パウロ・ディバラ(アルゼンチン代表)やフアン・クアドラード(コロンビア代表)らワールドカップ(W杯)ロシア大会出場選手とともに調整することとなった彼にとって、これが移籍後初試合となることが予告されていた。


 そして7月の終わりにチケットの販売が開始されると、4500席の前売り分は数時間で完売。この反響の大きさに地元の行政当局は驚き、試合の2日前から警察や私設ガードマンを増員して交通規制にあたった。「クリスティアーノなんたらのおかげで、バスもこの3日間、迂回運転だよ」と、路線バスの運転手はぼやいていた。

CR7、カルチョの世界にようこそ

トリノはすっかり歓迎ムード。7番のユニホームも“爆売れ”しているという
トリノはすっかり歓迎ムード。7番のユニホームも“爆売れ”しているという【写真:ロイター/アフロ】

 会場の熱狂ぶりはさらにすごい。スタンドだけでは収まりきらず、更衣室からピッチに至る通路の脇にもファンはぎっしり。お目当てのC・ロナウドが出てくれば大歓声が上がり、前半で出場を終えると一斉にサインや写真撮影をねだる。試合後、彼は四方をガードマンに固められて、チームバスに乗せられていた。


 その傍らで、取材に応じるマッシミリアーノ・アッレグリ監督は雰囲気を危惧した。「これだけの補強には興奮してしまうのも仕方がない。だが開幕までにチームを落ち着かせなければ」。7月10日にC・ロナウドの移籍が決定して以来、ユーベのファンのみならず、イタリアのサッカー界はある種の狂騒状態にある。


 移籍前も、その決定後も、地元スポーツ紙は常にC・ロナウド1人に数ページを割く。トリノの街の商店には「BEM-VINDO(ようこそ)」とポルトガル語で書かれた商工会議所作成の歓迎ポスターが貼られ、ポルトガルのリキュールを使い“CR7”の名がつけられたジェラートやカクテルが売られる。


 練習場の門の前には連日大勢の人だかり。クラブのオフィシャルショップがあるアリアンツ・スタジアム併設のショッピングセンターにも「RONALDO 7」のユニホームを着た家族連れが非常に多い。選手と同規格のオフィシャルユニホームについては、クラブが年間販売分として想定していた5万5000枚がわずか3週間で売り切れたとの報道も出た。C・ロナウドの加入によりゴンサロ・イグアインがミランに“玉突き”で移籍したり、負けられないインテルもルカ・モドリッチの移籍報道が挙がったりなど、ある意味でフィーバーは他クラブにも波及していた。

神尾光臣
神尾光臣

1973年9月28日、福岡県生まれ。東京外国語大学外国語イタリア語学科卒。97年の留学中にイタリアサッカーの熱狂に巻き込まれ、その後ミラノで就職先を見つけるも頭の中は常にカルチョという生活を送り、2003年から本格的に取材活動を開始。現在はミラノ近郊のサロンノを拠点とし、セリエA、欧州サッカーをウオッチする。『Footballista』『超ワールドサッカー』『週刊サッカーダイジェスト』等に執筆・寄稿。まれに地元メディアからも仕事を請負い、08年5月にはカターニア地元紙『ラ・シチリア』の依頼でU−23日本代表のトゥーロン合宿を取材した。

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