驚異の18歳・池江璃花子インタビュー アジア大会、東京五輪…見据える未来とは
新たに取り組んでいるスタート時の姿勢
現在はスタートの改善に取り組んでいる。その際、足や腕の筋力が大事になってくるため、ウエートトレーニングも実施しているという 【写真:森田直樹/アフロスポーツ】
池江 始めたのはスタートの改善です。私はスタートをする時に「Take your mark」と(スタートの号砲前の合図が)なった時に前傾になるのですが、そこを後ろに引いてスタートするというやり方に今変えています。足の筋力や腕の筋力が必要なので、ウエートトレーニングで鍛えたりしています。あとは、前半が大事なので、前半しっかりいって、後半耐えるというような練習をしています。
高橋 スタートの時に前傾の方が前方に勢いがつくように思えますが、後ろに引くことのメリットは何ですか?
池江 前に行くよりも後ろに引いた方が腕を使えます。前に行くとそのまま腕を前に出すだけですが、後ろに引くと腕と足の両方でスタート台を押せるので、その分速くなるんじゃないかと思っています。(取り組み始めたのは)1カ月たっておらず、始めたばかりです。
高橋 そういった新しいことに取り組む時は、今までの歯車みたいなものが変わってしまうという不安はありませんか?
池江 やはりスタートを変えたことによって、水中に入った時のドルフィンキックの回数も考えないといけないとは思います。しかしまずは、世界大会以外の日本の大会でやってきたことを練習して、そこでうまくいったり、タイムが速かったりしたら、それがやはり自分に合っているということなので、どんどんチャレンジしていきたいなと思います。
高橋 練習でやってみて手応えはどうですか?
池江 気持ちはイケています(笑)。あとは試合でどれぐらいうまくそれを使ってタイムを出せるか楽しみです。東京(五輪)に向けて改善しているので、どんどんうまくなって、海外の選手から頭ひとつ出られるようにしたいと思います。
高橋 お話を聞いていると、まだまだ自分の力の半分ぐらいで進んでいるような余裕も感じられます。
池江 限界はあまり感じていないです。今の自分のタイムが日本では1番だったとしても世界では1番ではないですし、世界記録からあと0.8秒くらい差があり、まだ速い人はいます。それだけ速い人がいると自分でもいけるだろうというか、同じ人間としてできている人がいるなら自分もできるだろうと思っているので、限界はないと思います。
アジア大会、東京五輪に向けて
アジア大会では金メダルも含めた全種目でのメダル獲得が目標。東京五輪に向けても「周りに流されず頑張っていきたい」と、意気込みを語っていた 【写真提供:TBS】
池江 アジア大会は初めてで雰囲気などが全然分からないのですが、すごくワクワクしています。世界で1番になる前に、まずアジアチャンピオンになって、それを次につなげられたらいいなと思っています。
高橋 どうしても日本記録、もしかしたら世界記録と期待してしまいますが、自信はどうですか?
池江 普通に泳げば記録は出るんじゃないかと思っているので、そこは結構自信があるというか……今の感じでいけば記録も出ますし、複数種目で出るので、メダルをいくつか取れるのではないかなと思っています。
高橋 これだけ日本記録が簡単なハードルのように思えるのは、池江さんぐらいかなと。「そんなに簡単なことだっけ?」と錯覚するような。それだけの手応えがあるんですね。
池江 練習をしっかりできているので、ある程度の自信はあります。
高橋 今回だけではなく、これから先どのくらい自分はいけるだろうと思いますか?
池江 さすがに20代後半になったら厳しいですが、とりあえず東京五輪までは伸びると思いますし、「やってきたぞ」と自信を持てるぐらいの練習をやっていけるかの問題なので、あとは気持ち次第だと思います。
高橋 18歳になったばかりで、20代後半はまだまだ先ですからね。本当に楽しみにしたいと思います。あらためてアジア大会の目標を教えてください。
池江 アジア大会では4種目出ると思うので、全種目でメダルを獲得するのと、その中で金メダルも取って帰ってきたいと思います。
高橋 そして東京五輪へもあと2年となります。東京五輪への思いも聞かせてください。
池江 あと2年もあるという考え方、2年しかないという考え方がありますが、私はどちらかというと2年しかないという考え方です。1日1日無駄にできないなって思っているので、集中して、自分のやるべきことは決まっているし、周りに流されずに頑張っていきたいです。
アジア大会 8月19日(日) ごご6時30分〜
池江璃花子金メダルなるか!?
TBS系列連日生中継