八村塁「未来が楽しみになってきた」 W杯1次予選 台湾戦後の選手コメント

スポーツナビ

八村塁は「チーム全体で最初から攻め気で、オーストラリア戦の勢いそのままでいけた」と勝因を語った 【加藤よしお】

 バスケットボール男子日本代表は2日、FIBAワールドカップ(W杯)のアジア地区1次予選のチャイニーズ・タイペイ戦に臨み、108−68で勝利。この結果、日本はW杯2次予選進出を決めた。

 ニック・ファジーカスの連続得点から試合をスタートした日本は、富樫勇樹の3ポイントなどで流れをつかみ第1クオーター(Q)終了時に27−15と12点のリードに成功。その後も、比江島慎、八村塁らが得点を重ねてリードを広げて試合を折り返した。第3Q序盤はチャイニーズ・タイペイに連続3ポイントを許し意地を見せられる。しかし、すぐさま日本も富樫の3ポイントで流れを引き戻すと、馬場雄大のダンクなどで勢いに乗り、最後は40点差をつけて試合終了のブザーを迎えた。

 試合後、八村塁は「チーム全体で最初から攻め気で、オーストラリア戦の勢いそのままでいけた」と勝因を語ると、「試合でも勝ち気、アグレッシブさが出てきた」と日本の成長に手応えを語った。また、ニック・ファジーカスに次ぐ17得点を挙げた比江島慎は、「(ファジーカスと八村の)マークが厳しくなるのは分かっていた。その分中にスペースが空いた。前半はアグレッシブにいこうと自分の中で思っていました」と試合を振り返り、「本当に『駄目なんじゃないか』と思ってしまう時期もあったんですけれど、やれるという自信もつきましたし、今後のバスケ人生に関わるくらいのいい経験ができた」と1次予選を総括した。

 日本はオーストラリア戦から2連勝し、2勝4敗でB組3位に浮上。崖っぷちからの2次予選進出で、東京五輪の予選も兼ねるW杯出場へ望みをつないだ。

八村塁(ゴンザガ大)

「勝ち気、アグレッシブさが出てきた」

 チーム全体で最初から攻め気で、オーストラリア戦の勢いそのままでいけて、この点差で勝利をつかめたと思う。勢いがあるままで戦えてよかった。チャイニーズ・タイペイもバスケ人気がある国で、やすやすと負けてくれる相手ではないと分かっていた。チームでもQごと、5分ごとに気を引き締めていくぞ、20点差を保つのでなく離していこうと言ってプレーしました。

 僕にとっては「チームとして戦う」ことが大きかった。自分たちの持ち味を理解して、課題を克服して、こういう良い試合ができた。(日本代表の)試合をビデオで見たことがあるんですけれど、あまり攻め気じゃないなというのを感じていた。1カ月間、僕とかニック(・ファジーカス)とかが練習中でもしっかり戦いながらやって、試合でも勝ち気、アグレッシブさが出てきた。

 この1カ月ずっとこの2試合のためにやってきて、その成果を実際に2試合で出せた。この2試合だけでなく、これからの日本バスケの未来に向けて楽しみになってきました。

(2次予選については)今から学校や(ヘッドコーチのフリオ・)ラマスさんとも話して(代表参加の可否を)決めていかないといけませんが、自分として出たいというのはあります。

(チャイニーズ・タイペイ遠征中の母校・明成高校の後輩と佐藤久夫監督が応援に来たが)本当にうれしかったですね。(明成とともに来ていた)福岡第一の井手口(孝)さんもU−17代表時代の監督ですし、来てくれた。(明成高は)高橋(陽介)コーチ、後輩も来ていてうれしかったですし、その前でプレーができて良かったです。

 こういうふうに日本代表として、国を代表して戦うので、重いものを感じます。その中で2勝できたことは、自分にとってもチームにとってもすごく大きいことでした。

比江島慎(シーホース三河)

「今後のバスケ人生に関わるくらいのいい経験」と比江島は1次予選を総括 【加藤よしお】

「今後のバスケ人生に関わるくらいのいい経験」

(相手の)攻めてくる選手が限られていたのでそこをしっかり守るところと、前回はオフェンスリバウンドで負けてしまったので、そこは気を付けるというところを確認していました。

(ファジーカスと八村の)2人が活躍しているので、マークが厳しくなるのは分かっていた。その分中にスペースが空いたというのもある。前半はアグレッシブにいこうと自分の中で思っていました。ポンポンと(シュートが)入ってくれたので、ホッとしています。

 この地で台湾のAチームに勝ったことは人生でなかったので、気持ちよかったです。オーストラリアに勝ったというのは相当自信につながりました。今までやってきた選手たちも普段通りの、Bリーグでやっているようなプレーができていました。

 苦しい時期はありましたけれど、それがあるからこそ今があると思う。僕らがしっかり日本のスタイルを築き上げて、2人が帰ってきてくれてパワーアップできた。あの4試合は無駄ではなかったと思う。2人が入ったことで40分間、向こうに押し込まれる時間帯をなくすことができている。あの2人が自信に満ち溢れたプレーをして、それに自分たちも引っ張られているし、ディフェンスから良いバスケができている。

 自分の目標として東京五輪を目指してやってきました。人生を懸けているというか、いろいろなものを背負ってやってきた。本当に「駄目なんじゃないか」と思ってしまう時期もあったんですけれど、やれるという自信もつきましたし、今後のバスケ人生に関わるくらいのいい経験ができたと思います。

(4連敗のあとは)相当落ちました。五輪へ出たい、その前に世界を知るためにW杯へ出たいと思っていたので、相当(ショックが)残りましたね。あの2人が入ったので気持ち的にも楽になったし、背負うものも分散された感じです。

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