ラマスHC「これからも曲げずにやる」 W杯1次予選 オーストラリア戦後の会見

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オーストラリア戦後に会見に臨んだフリオ・ラマスヘッドコーチ 【加藤よしお】

 バスケットボール男子日本代表は29日、千葉ポートアリーナで「FIBAワールドカップ(W杯)」のアジア地区1次予選のオーストラリア戦に臨み、79−78で勝利。FIBA(国際バスケットボール連盟)ランキング10位(日本は同48位)でNBA選手2人を擁する強豪相手に、今大会初勝利を挙げた。

 日本は試合序盤からニック・ファジーカス、八村塁の2人が得点源となると、第1クオーター(Q)を終えて23−16とリード。その後も勢いに乗ると、第2Q途中で12点差のリードを奪うことに成功する。しかし、第3Qで立て続けに失点を喫し、途中50−50の同点とされる。ホームの大声援を背に意地を見せる日本は、篠山竜青のディフェンスなどで流れをつかむと、竹内譲次や馬場雄大、八村などが得点を重ね、再びリードを広げる。最後は5ファウルの窮地に立たされるも、追いすがるオーストラリアから僅差で逃げ切り、1次予選突破に望みをつないだ。

 試合後、フリオ・ラマスヘッドコーチは「勝因として明らかに出ているのがリバウンドの数。前回は27本も差をつけられたリバウンドを、今回は6本差に抑えられた」と勝因を分析。また、「これにプラスして渡邊雄太が加入してくれたら、このチームはまた変わると思う。国内リーグが強くなることで、代表も強くなるというつながりもある」と日本代表の伸びしろに期待した。

 日本は7月2日にアウェーで、予選突破を懸けてチャイニーズ・タイペイと最終戦を戦う。

明るい未来が日本のバスケットボールにはある

――オーストラリア戦に向けてどういう準備をして、勝利にどう結び付いたか? 勝因はどういう部分か?

 今回の試合のためにずっとゾーンディフェンスを練習してきた。マンツーマンディフェンスの時間帯は、前回の試合と同じようにやってもらった。勝因として明らかに出ているのがリバウンドの数。前回は27本も差をつけられたリバウンドを、今回は6本差に抑えられた。オーストラリアのフィジカルなプレーでプレッシャーをかけられた場面は多かったが、日本代表の選手がうまく対応できたのも勝因だと思う。

 ニックと塁がチームに加入して新たな得点源が生まれ、スペースがオープンになることで他の選手も生きてくる。そういう試合の流れだった。
 
――第4Q残り1分頃のタイムアウトではどういう指示を出したのか?

 残り1分のところで、ニックがタイムアウトを取るように指示を出してきたので……。理由は分からないが、ベンチに戻って少し休みたかったのかもしれない(笑)。もう終盤だったのでどういう(試合の)締め方をするか、そのタイムアウトで話をした。全員が心身とも疲れている中で、あのタイムアウトは良かったと思う。
 
――どの時点でオーストラリアに勝てるという手応えを持ったのか?

「勝てるな」という確信を持ったのは、試合が終わって笛が鳴ったところだ。でも(篠山)竜青の最後のレイアップで、ある程度は「勝てるかな」という自信にはつながった。
 
――過去1度も勝ったことのなかったオーストラリアに勝ったことは歴史的に大きな意味を持つと思います。

 2次ラウンドのことも考えたいのだが、そのためにはチャイニーズ・タイペイに勝たないと意味がない。こうやってオーストラリアに勝てたことは、次につながる自信になる。過去に1度も勝てていなかったチームなので、その思いはより強くなる。

――現時点で日本代表のここが変わってきていると自信を持って言えることは?

 私は明るい未来が日本のバスケットボールにあると信じている。どれくらい時間がかかるか分からないが、そのためにパズルのピースをすべて集めて、協会と一緒にやっているプロジェクトを続けて日本を成長させたいと願っている。

 合宿では選手たちのフィジカル面、技術面の改善を細かく見ながら、計画を立ててやっている。もちろん、今いる選手に全員成長してもらわないといけない。全員を成長させていくために、こういう国際試合を続けて経験を積んでいくことは重要だ。ニックと八村が加入したことでチームが一気に強くなったことは明らかだが、これにプラスして渡邊雄太が加入してくれたら、このチームはまた変わると思う。国内リーグが強くなることで、代表も強くなるというつながりもある。

 あらためて言うが、私は日本バスケットボール協会のプロジェクトを信じているし、これからもそれを曲げずにやろうと思う。
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