今さら聞けないバスケのルール 緻密なスポーツの醍醐味を今から知ろう!
まもなく2シーズン目のクライマックスを迎えるBリーグ。山場を迎える前に、今さら聞けないバスケルールをおさらいしたい 【(C)B.LEAGUE】
日本人の多くは体育の授業でこの競技に触れていて、最低限のイメージは共有されている。また『SLAM DUNK』のようなバスケ漫画も広く読まれていて、そこから知識を得ている方も多い。かなり多くの人が「リバウンドを制する者はゲームを制す」というような“バスケの常識”を知っているのは、スラダンの大きな功績だろう。
ただし編集部からリクエストがあったのは「『スラダン』さえ読んだことのない人に向けた解説」を書くこと。確かに今は「スラダン世代」よりさらに若い人たちも増えている。Bリーグの観客増加傾向を見ると、新規のファンも徐々に積み上がっているはずだ。
今回はまず「新入りファンが疑問に感じそうな」「ライトなファンがなんとなく知っているけれどいまさら詳しく聞けない」ポイントに絞って、説明を試みたい。ルールの全体をより深く学びたい方は、ルールブック(1080円)をご購入頂きたい。
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バスケの試合時間は40分だが実際には……
バスケの試合は基本的に40分。10分間(NBAは12分間)のクォーター(Q)を4回繰り返し、同点なら決着がつくまで5分単位のオーバータイムを行う。第2Q終了後のハーフタイムには15分間、もしくは20分間の長いインターバルがある。ただしファウルがあったり、ボールがラインを割れば時間の測定がストップする。ファウルが多ければ時計がそのたびに止まるため、実際の試合時間はどうしても長くなる。
また試合中には「タイムアウト」が複数回ある。チームはどうしても次のプレーで点を取りたいとき、トラブルが起こったとき、相手の流れを止めたいときなどにこれを取る。両チームはそれぞれ60秒間のタイムアウトを計5回(前半2回以内、後半3回以内)取ることが可能だ。大半の指揮官がこれを使い切るし、勝負どころではとっておきのデザインされたプレーを繰り出して点を取りにいく。
例えば2017年5月21日のBリーグ・チャンピオンシップ準決勝では、「残り5.9秒」で同点という状況から栃木ブレックスのベンチが絶妙なプレーを選択し、ライアン・ロシターが決勝進出を決めるシュートを決めた。
チームの判断と関係なく自動的に発生する、90秒間の「オフィシャルタイムアウト」もある。これは第2Q、第4Qの残り5分過ぎの最初にプレーが止まったタイミングに入る。チームタイムアウト、オフィシャルタイムアウトの合計は780秒(13分)になる。さらに選手の負傷、機器の不調などで、レフェリーがタイムアウトを取る場合もある。
「バスケの試合時間」を“実測レベル”で回答すると、Bリーグは1時間50分程度で決着することが多い。2時間あればほぼすべての試合が終わる。
10点差は3分あれば届く点差
1試合でフリースローが行われる頻度はかなり高い。この回数が試合の鍵になることもしばしばだ 【(C)B.LEAGUE】
シュートに「2ポイント」と「3ポイント」の2種類があることも、バスケの大前提だ。3ポイントライン(かまぼこ型をしているエリア)の外側から放ったシュートが3ポイントシュートになる。
サッカーのPKと意味合いが近いフリースローは1本1点で、この頻度もかなり高い。攻撃側にフリースローの権利が与えられる主な状況を、まず2つ挙げよう。
・シュートモーション中にファウルを受けて失敗した場合→2ポイントシュートなら2本、3ポイントシュートなら3本の権利が与えられる。
・シュートモーション中にファウルを受けて成功した場合→もう1本の「バスケットカウントワンスロー(ボーナス)」を放つ権利が与えられる。
つまり「ファウルを受けながら3ポイントシュートを決め、なおかつフリースローのボーナスショットも成功した」状況なら、チームは一挙に4点を挙げられる。
バスケは観客も選手も「時計」が気になるスポーツで、コートには必ず「ゲームクロック」と「シュートクロック」の2種類が設置されている。ゲームクロックは各Qの残り時間、シュートクロックは攻撃の残り時間がそれぞれ掲示される。攻撃側が攻撃の開始からシュートクロックに表示される24秒以内にシュートを放てないと、相手ボールに変わる。リードをしているチームが終盤に攻め急がないのは当然だが、過剰な「時間稼ぎ」は許されない。
昨シーズンのデータだが、B1は試合の過半が10点差以内で決着している。しかし「10点差」は3分あれば届く点差。実際に今月14日のアルバルク東京vs.名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦は、残り3分で11点差の状況から名古屋が追い上げ、残り1秒で逆転している。