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DeNAの好スタートを支えた若手投手
ドラ1・東の可能性と飯塚の成長の理由
開幕3連勝と勢いに乗る京山(右)とドラフト1位で入団し、先発の一角を担う東
開幕3連勝と勢いに乗る京山(右)とドラフト1位で入団し、先発の一角を担う東【(C)YDB】

 4月15日、横浜DeNAは中日を6対1で下し、17年ぶりとなる8連勝を決めた。17日の巨人戦に惜敗して連勝はストップしたものの、開幕からの15試合を9勝6敗で乗り切り、セ・リーグ2位。昨シーズンは5勝9敗1分だったことを思えば、順調なスタートを切ったと言っていいだろう。


 目を引くのは、リーグ1位の「防御率2.58」だ(4月19日終了時点、以下同)。この数字が物語るように、投手たちの奮闘が春の快進撃を強く後押ししたことは間違いない。


 先発陣では、昨シーズン2ケタ勝利を挙げた今永昇太、ウィーランド、浜口遥大の三本柱を欠く中で、チャンスを与えられた若手が想像を超える活躍を見せた。


 筆頭は京山将弥。高卒2年目の右腕は、開幕3戦目の東京ヤクルト戦でプロ初登板初勝利を挙げると、その後の登板でも10代とは思えぬ落ち着き払った表情で際どいコースを突き、3戦3勝と白星を積み上げている。


 京山に続いて好投を披露したのが、ドラフト1位ルーキーの東克樹だ。初登板となった4月5日の阪神戦では、援護なく負け投手にはなったが、7回1失点9奪三振と実力を証明した。12日の巨人戦で、初回に3ランを浴びる不安定な立ち上がりにも崩れることなく、5回1/3を投げてプロ初勝利。150キロ台のストレートとカーブで緩急を使い分け、加えてコントロールもいい。今シーズン、どこまで勝ち星を伸ばせるのかが楽しみな左腕だ。

高卒時に感じていた自己への懐疑

 身長170センチと小柄な東は言う。


「(背が)小さいと、変化球主体、コーナーワークで打ち取るというイメージがつきがちなんですけど、自分はそれだけじゃない。上から担ぐような投げ方で、力で投げているような感じ。それが自分の体の特徴に合った投げ方なんじゃないかなと思ってます」


 三重県に生まれた東は小学1年生の時に野球を始め、愛工大名電高、立命館大という球歴を歩んだ。その過程でフォームを修正する指導を受けたことはないという。


 身長の伸びが止まったのは大学に入ってから。その現実を淡々と受け入れた。


「ああ止まったな、ぐらいにしか思いませんでしたね。そこ(身長)以外でカバーできるところがあったので。この身長なのにこれだけスピードが出るとか、コントロールの部分だとか……。だから、自分はこの身長で良かったんじゃないかと思うんです」


 愛工大名電の1学年上には、高卒ながら中日からドラフト2位指名を受けることになる浜田達郎がいたが、「マネしようとは思わなかった」。185センチの浜田とは体格差がありすぎて参考にならなかったからだ。「自分が投げる機会がなかったので、(部活を)早く引退してくれって思ってました」と東は笑う。


 自身が高校を卒業する時、プロ入りという選択肢は存在しなかった。「将来のことを考えれば少なくとも大学は出ておきたい」という現実的な判断と、野球選手としての己に対する懐疑があった。


「これ以上は伸びないだろうなって」


 そんな言葉から、東は大学進学に至った経緯の説明を始めた。


「体の成長も止まって、野球の技術や球速も、もう伸びないだろうと。立命館に進んだ先輩からは『左腕が少ないから投げるチャンスがあるかもしれない』という話を聞いていましたし、スポーツ推薦をもらえるということで進学を決めました。野球に関しては、いまの技術でどうがんばっていくか。あとはキャンパスライフを楽しみたいなって思ってましたね(笑)」


 自分に期待することをやめた大学生は、その4年後、ドラフト会議で最上位の評価を受ける投手となる。


 いったい何が――。必然の疑問に、東は端的に答える。

日比野恭三
日比野恭三

1981年、宮崎県生まれ。2010年より『Number』編集部の所属となり、同誌の編集および執筆に従事。6年間の在籍を経て2016年、フリーに。野球やボクシングを中心とした各種競技、またスポーツビジネスを中心的なフィールドとして活動中。

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