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超短期決戦の選手権をブロックごとに分析
人数の変更で選手交代が鍵を握る?

近年は初優勝校が多いが、力のあるチームが勝ち残る傾向

前年度、95回目の王者に輝いたのは青森山田(緑)。準優勝の前橋育英とともに今大会も優勝候補だ
前年度、95回目の王者に輝いたのは青森山田(緑)。準優勝の前橋育英とともに今大会も優勝候補だ【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

 全国高校サッカー選手権は、1917年度に開催された『日本フートボール優勝大會』を一般に第1回大会として定義している。このあたりの話はそれだけで一つの記事になってしまうのであえて深入りはしないが、2017年度に行われる今回は、ちょうど100年後の大会に当たる。太平洋戦争などに伴って中止された時期もあるため、数えて96回目。12月30日から、そんな“選手権”の幕が上がる。


 前年度、95回目の王者に輝いたのは青森山田(青森)だった。初優勝であるが、もはや珍しくはない。84回大会(05年度)で野洲(滋賀)が優勝してからというもの、初優勝校が誕生しなかった大会の方がレアケースだ。11年度の市立船橋(千葉)と15年度の東福岡(福岡)のみ例外で、残りはすべて初優勝校が誕生する大会となっている。その2校にしても、かつて優勝したときとは体制が変わっており、指揮官は「初優勝監督」だった。


 全国的に力の接近した高校が数多くある、こうした流れ自体は大枠において変わっていない。一方で、近年はより力のあるチームが勝ち残る傾向になってきているのも確かだ。もちろんノックアウト方式の常であるのと同時に大会ごとの組み合わせの妙もあるので、サプライズチームの勝ち残り自体は起こるもの。ただ、前々年度の東福岡、前年度の青森山田ともに、そもそも戦力的に他校を凌駕(りょうが)し、勝つべくして勝ったチームという印象が強い。


 この2校に関しては今回も東西の最有力候補に挙がるだろう。青森山田は前年度の優勝を知る主将のDF小山内慎一郎とヴィッセル神戸内定のMF郷家友太が攻守の両輪。このほかにも今季から移籍加入してきたモンテディオ山形内定のFW中村駿太、来年度の目玉と期待されるMF檀崎竜孔など多彩なタレントをそろえる。Bチームが公式戦であるプリンスリーグ東北に出場しており、そこからはい上がってきたMF田中凌汰のようなたくましさを持った好選手がいるのも強みだ。

昨年覇者・青森山田のブロックは“超”激戦区

頂点にたどり着くのはどの高校か?
頂点にたどり着くのはどの高校か?【スポーツナビ】

 第1シードであるこの青森山田の入ったブロックは“超”を付けたくなる激戦区となった。セレッソ大阪内定のFW安藤瑞季を筆頭に力のある選手を複数そろえる長崎総科大附(長崎)の名前がまず挙がるだろうが、初戦で当たる中京大中京(愛知)も主将のMF本山遊大を軸によくまとまったハイレベルなチーム。その隣には名門・清水商の流れを汲み、大会屈指のアタッカーであるFW白井海斗が引っ張る清水桜が丘(静岡)がおり、対戦相手は4強経験を持つ高川学園(山口)。青森山田の初戦の相手である草津東(滋賀)も、79回大会(00年度)の準優勝時の指揮官である小林茂樹監督が復帰して3年目となる勝負の年で、いきなり油断のできない相手だ。


 この山の勝者と当たる隣の山には、高校総体王者の流経大柏(千葉)がいる。70歳にして精力的に海外へ学びへ出ていくバイタリティーを持つ指揮官・本田裕一郎監督は「ドイツは高校よりもっと小さい世代でも守備に徹底してこだわっている。日本のように『育成年代は自由に攻撃させて』なんてことはない。今年はとにかく守備にこだわる」と、例年になくソリッドなチームを作ってきた。交代の切り札になることも多い2年生MF熊澤和希など攻撃で変化を付けられる選手も多く、優勝候補の一角を担うのは間違いない。


 その流経大柏と初戦で当たるのは、そのクジ運を「強いチームと当たれてラッキー」と評した首藤啓文監督率いる大分西(大分)。DF宮崎優成を中心にしたポゼッションスタイルが、大会屈指の守備力を誇る相手にどこまで通用するのかチャレンジすることになる。


 そして流経と大分西の勝者が当たる山には、ギラヴァンツ北九州内定のFW佐藤颯汰を擁し、爆発的な攻撃力を持つ日章学園(宮崎)がいる。ここに初戦で挑むのは元日本代表の水沼貴史コーチの指導も受けながら着実に力を付けてきた北陸(福井)。そしてこの勝者が、関東第一(東京B)と佐賀東(佐賀)による開幕戦の勝者と対戦する構図になる。この開幕戦も、両者ともにボールを大切にするチーム同士の対戦だけに、なかなか面白い。毎年開幕戦は独特の緊張感からイレギュラーな展開になることが多いのだが、今年も目の離せない試合になりそうだ。

川端暁彦
川端暁彦

1979年8月7日生まれ。大分県中津市出身。フリーライターとして取材活動を始め、2004年10月に創刊したサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の創刊事業に参画。創刊後は同紙の記者、編集者として活動し、2010年からは3年にわたって編集長を務めた。2013年8月からフリーランスとしての活動を再開。古巣の『エル・ゴラッソ』を始め、『スポーツナビ』『サッカーキング』『サッカー批評』『サッカーマガジンZONE』『月刊ローソンチケット』など各種媒体にライターとして寄稿するほか、フリーの編集者としての活動も行っている。2014年3月に『Jの新人』(東邦出版)を刊行

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