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みんなの愛馬キタサンブラック3年の足跡
泣いて笑って歌って、そして愛されて

日本競馬随一の“愛されホース”

「みんなの愛馬」となったキタサンブラック、3年の足跡を振り返る
「みんなの愛馬」となったキタサンブラック、3年の足跡を振り返る【写真:中原義史】

「そして、みんなの愛馬になった」


 これは今年製作されたキタサンブラックの「JRAポスター ヒーロー列伝」につけられたキャッチコピーだ。競馬場などで見かけたファンも多いことだろう。キタサンブラックのこれまでの歩みを思えば、このキャッチコピーは間違いなく歴代のヒーロー列伝の中でも屈指の名文句だと思う。


 国民的大スター歌手の北島三郎さんがオーナーで、“キタサン”という冠名の響きも古き良き日本競馬というよりは、まずサブちゃんを連想してしまうインパクト。そんな背景もあってか、どこか“イロモノ”扱いだったキタサンブラックだったが、あれよ、あれよと無敗のまま重賞を勝ってクラシック戦線に乗ると、秋の菊花賞でGI初制覇。それで終わらず、天皇賞、ジャパンカップなど日本競馬の根幹をなす主要GIを勝ちまくり、サブちゃんがウイナーズサークルで『まつり』の生歌を披露する離れ業でエンターテインメントとしても大きく盛り上げるなど、今では誰もが認める日本競馬史上随一の“愛されホース”となった。


 成績を見ればまさに王道、でも、どこか異端。そんなキタサンブラックも12月24日に行われるグランプリレース、第62回有馬記念を持って現役生活に別れを告げる。ここでは3年にわたるキタサンブラックの足跡を振り返ってみたい。

今でも記憶に残る2戦目の500万下

 デビューは2015年1月31日、東京競馬場1800メートル芝。後藤浩輝騎手を背に、中団から上がり3F34秒2の末脚で差し切っての快勝だった。JRAの公式サイトでレース映像を見ることができるのだが、今のキタサンブラックとは随分とイメージの違う競馬をしている。


 続く2戦目から北村宏に乗り替わり、2月22日東京2000メートル芝の3歳500万下。一転して先行押し切りの競馬で2連勝を飾った。2着には後のダービー2着馬・サトノラーゼン、4着には今年のGIIIエプソムカップを勝ったダッシングブレイズなど、レベルの高かったメンバーを相手に、3馬身差の圧勝である。


 実は僕が初めてキタサンブラックをナマで見たのがこのレースで、今でもよく覚えている。当日はGIフェブラリーステークスがあったことから東京競馬場に取材に来ていたのだが、ゴンドラ席から競馬ブックの和田章郎記者と談笑しながら、このレースを見ていた。着差もさることながら、あまりに鮮やかな競馬ぶりに「いやあ、このサブちゃんの馬、強いですねぇ。うまいこと行けばクラシックに乗れるかもしれないですね」、そんなことを和田記者と話していたのだが、もちろん僕はこの時点ですでにキタサンブラックはGI馬になると思っていた……そんなわけはない。将来オープンでそこそこ走るかもな、くらいにしか思っていなかった。僕は実に馬を見る目がない、今振り返ればそう思う。


 ただ、そんな筆者でも3年近く前の500万下の平場レースを思い出せるのだから、やはりキタサンブラックにはキラリと光るものを感じていたのだろう(と、思いたい)。

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